![]() 血管新生の阻害
专利摘要:
本発明は、クロロトキシン剤を使用して血管新生を阻害する新規方法に関する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、標識され得るまたはされ得ないクロロトキシン剤の静脈内、眼内、硝子体内、結膜下注射、および/または局所投与を含む。いくつかの実施形態において、本発明の方法によって、新生血管形成を特徴とする眼疾患、たとえば滲出型黄斑変性症の処置および/または改善が可能となる。いくつかの実施形態において、新生血管形成は阻害される、および/または新たに形成された血管の退行が引き起こされる。 公开号:JP2011515392A 申请号:JP2011500759 申请日:2008-09-17 公开日:2011-05-19 发明作者:イー.;マイケル イーガン,;カマラ ケサヴァン,;ダグラス;ビー. ジャコビー,;アブデラー センティッシ, 申请人:トランスモレキュラー, インコーポレイテッド; IPC主号:A61K38-00
专利说明:
[0001] 関連出願の情報 この出願は、2008年3月20日に出願された米国仮出願第61/038,383号および2008年5月15日に出願された同第61/053,651号(これらの両方の全体の内容は、それらの全体において参考として本明細書に援用される)に対する優先権およびその利益を主張する。] 背景技術 [0002] 血管新生は、新たな血管が形成されるプロセスであり、正常な発生、再生、および創傷修復の間に起こる。異常な血管新生は、腫瘍増殖、眼の新生血管形成、および関節炎を含む、各種の病的状態の一因である。] [0003] クロロトキシンは、神経膠腫を標的とする候補として前臨床的に研究されているジャイアント・イエロー・イスラエル・スコーピオンLeiurus Quinqestriatus由来の毒で発見されたペプチドである。腫瘍を診断および処置するための組成物および方法(特許文献1;特許文献2;特許文献3;および特許文献4を参照、そのそれぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられている)は、クロロトキシンが腫瘍細胞に結合する能力に基づいて開発された。] 先行技術 [0004] 米国特許第5,905,027号明細書 米国特許第6,028,174号明細書 米国特許第6,319,891号明細書 米国特許第6,429,187号明細書] 課題を解決するための手段 [0005] 癌などの病的状態におけるその役割のために、血管新生は潜在的な治療薬にとって魅力的な標的である。それにもかかわらず、血管新生の阻害は、血管新生を制御する複数の経路によって複雑になっている。血管内皮増殖因子(VEGF)は、低酸素誘導因子(HIF)によって誘導され、重要な血管新生促進因子である。複数の抗血管新生治療薬は、VEGFを特異的に標的とする。] [0006] 腫瘍細胞は、シグナル伝達経路を切換えることが可能であり、これにより腫瘍細胞をある血管新生阻害薬に耐性とすることができる。たとえば、HIF経路阻害薬(たとえばVEGF阻害薬)による細胞の処置によって、HIF非依存性経路を使用して血管新生を刺激し、増殖および/または転移を続けることができる腫瘍の選択に至ることがある。とりわけ本発明には、FDAが承認したいずれの血管新生阻害薬にも見られない、広範囲に及ぶ(すなわち複数のシグナル伝達経路にわたる)血管新生の阻害が好都合であろうという認識が含まれる。] [0007] 本明細書では血管新生を阻害する新規方法が開示される。本発明は、クロロトキシン剤が新生血管形成を阻害できるおよび/または既存の新たに形成された血管の退行を引き起こすことができるという発見を含む。発明者らは、クロロトキシン剤が広範囲の血管新生促進因子によって刺激された新生血管形成を阻害可能であることを発見し、このことは現在市販されている血管新生阻害薬ではこれまで報告されていない。さらにクロロトキシン剤は、静脈内、眼内、および局所を含む各種の投与経路を介して送達されるときに、抗血管新生効果を及ぼすことができる。複数の例示的な投与経路によって、クロロトキシン剤の眼への送達が行われる。] [0008] いくつかの態様において、本発明は、ある量のクロロトキシン剤を被験体に投与するステップを含む方法を提供し、ここでクロロトキシンの量は、クロロトキシン剤が投与されない対照被験体で観察または予想されるものと比較して、血管新生の程度が低下されるように有効である。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、正常細胞よりも癌細胞を選択的に標的とする。被験体は、たとえば転移性腫瘍などの腫瘍を有し得る。被験体は、たとえば少なくとも1つの転移を有し得る。いくつかの実施形態において、腫瘍および/または転移のサイズが縮小される。] [0009] ある実施形態において、被験体は異常な血管新生を特徴とする状態または疾患に罹患している、または罹りやすい。たとえば、状態または疾患は、脈絡膜新生血管形成を特徴とし得る。このような状態または疾患の例は、これに限定されるわけではないが、黄斑変性症(滲出型黄斑変性症(wet macular degeneration)、加齢性黄斑変性症などを含む)、近視、眼球外傷(ocular trauma)、弾性線維性仮性黄色腫、およびその組合せを含む。] [0010] いくつかの実施形態において、血管新生は、血管内皮増殖因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、リポ多糖類(LPS)、上皮増殖因子(EGF)、インターロイキン−6(IL−6)、血小板由来増殖因子(PDGF)、腫瘍壊死因子(TNFα)、肝細胞増殖因子(HGF)、およびその組合せからなる群より選択される因子によって刺激される。] [0011] いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、静脈内、頭蓋内、筋肉内、腫瘍内、皮下、眼内、眼周囲局所適用、およびその組合せからなる群より選択される投与経路によって投与される。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、結膜下注射などによって硝子体内に投与される。] [0012] ある実施形態において、クロロトキシン剤は眼に送達される。投与は、たとえば本明細書で言及するような眼内および/または眼周囲経路を使用し得る。代わりにまたはさらに、クロロトキシン剤を眼に送達するために点眼薬が使用され得る。] [0013] ある実施形態において、クロロトキシン剤は、細胞傷害性部分と会合されている。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、細胞傷害性部分と融合して融合タンパク質を形成する。細胞傷害性部分は、たとえば毒素、生物活性タンパク質、化学療法抗生物質、核酸分解酵素、放射性同位体、およびその組合せからなる群より選択され得る。毒素の例は、これに限定されるわけではないが、ゲロニン、リシン、サポニン、Pseudomonas体外毒素、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ジフテリア毒素、補体タンパク質、およびその組合せを含む。いくつかの実施形態において、細胞傷害性部分は放射性同位体を含む。たとえば放射性同位体は、ヨウ素−131(131I)を含み得る。] [0014] ある実施形態において、クロロトキシン剤は、標識部分と会合されている。標識部分は、たとえばフルオロフォア、放射性同位体、常磁性金属イオン、およびその組合せからなる群より選択される部分を含み得る。いくつかの実施形態において、標識部分は放射性同位体、たとえばヨウ素−131(131I)、ヨウ素−125(125I)、その組合せなどを含む。いくつかの実施形態において、放射性同位体は99mTcを含む。] [0015] ある実施形態において、クロロトキシン剤はポリマーに共有結合される。ポリマーは、たとえばポリエチレングリコール(PEG)であり得る。] [0016] ある実施形態において、被験体でのクロロトキシン剤の半減期は、少なくとも約10時間である。いくつかの実施形態において、半減期は少なくとも約16時間である。] [0017] ある実施形態において、クロロトキシン剤は、週に5回未満投与される。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、週に2回未満投与される。] [0018] いくつかの実施形態において、血管新生の程度は、対照被験体と比較して少なくとも50%低下される。] [0019] いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、既存の新生血管系の退行を引き起こす。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は新しい血管の出芽を防止する。] [0020] 本発明は、アネキシンA2が薬物開発にとって所望の標的であるという認識をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載するように投与されたクロロトキシン剤は、アネキシンA2に結合する。クロロトキシン剤とアネキシンA2との間の結合は、直接的または間接的であり得る。] [0021] いくつかの態様において、本発明は、アネキシンA2を発現する細胞を含む試料を提供することと;試料と試験剤とを接触させることと;試験剤がアネキシンA2に結合するか否かを決定することと;決定に基づいて、試験剤をアネキシンA2に結合する薬剤として同定することと;を含む、アネキシンA2に結合する薬剤を同定する方法を提供する。いくつかの実施形態において、このような方法は、薬剤がアネキシンA2機能を調節するか否かを決定することをさらに含む。] [0022] いくつかの態様において、本発明は、細胞にアネキシンA2活性が変化されるようにアネキシンA2を調節する薬剤を接触させることを含む、アネキシンA2を発現する細胞においてアネキシンA2活性を調節する方法を提供する。] [0023] ある実施形態において、本発明は、クロロトキシン剤を被験体に投与することを含み、第2の治療剤を投与することをさらに含む治療方法を提供する。第2の治療剤は、たとえば抗ガン剤、血管新生阻害薬などであり得る。いくつかの実施形態において、血管新生阻害薬は、ベバシズマブ、ラニビズマブ、およびその組合せからなる群より選択される。クロロトキシン剤および第2の治療剤は、同時に投与され得る。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、第2の治療剤が投与される前に投与される。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、第2の治療剤が投与された後に投与される。クロロトキシン剤は、第2の治療剤と会合され得る。ある実施形態において、クロロトキシン剤は、アネキシンA2に結合する、および/またはアネキシンA2を調節する少なくとも1つの他の薬剤と組合せて投与される。ある実施形態において、クロロトキシン剤は、少なくとも1つの他の治療剤と組合せて投与されるか、または黄斑変性症などの眼の新生血管形成障害のための少なくとも1つの他の療法と併せて投与される。このような治療剤は、Lucentis(商標)およびMacugen(商標)などの血管新生阻害薬を含み得る;このような療法は、光凝固、たとえばレーザによる処置を含み得る。] 図面の簡単な説明 [0024] 図1は、ニワトリ胚漿尿膜(CAM)アッセイにおけるVEGFによる血管新生の刺激を表す写真を示す。CAMへのVEGFの局所適用に応答した血管分枝点の増加を示すために、未処置(A)およびVEGF処置(B)CAMを写真撮影した。 図2は、合成クロロトキシン(TM−601)がVEGF刺激血管新生を用量依存方式で阻害することを表す写真を示す。血管分枝点の数は、TM−601の用量が増加するにつれて減少した。 図3は、各種の血管新生促進因子(VEGF、bFGF、LPS、EGF、IL−6、PDGF、TNFα、およびHGF)によって刺激された血管新生に対するTM−601の阻害効果を表すプロットを示す。分枝点の阻害パーセントを、各因子でのTM−601の濃度に対してプロットした。 図4は、各種用量のTM−601によって処置したマウスからのマトリゲルプラグ中の平均微細血管数を示す。10mg/kg静脈内注射を週3回投与した動物の群は、血管新生の有意な減少を示した(p<0.01)。 図5は、マトリゲルプラグのCD31免疫染色を示す。(A)対照マトリゲルプラグ。(B)10mg/kg TM−601の静脈内注射によって週3回処置された動物からのマトリゲルプラグ。 図6は、試験経過中のマウスの体重のプロットを示す。 図7は、各種用量のTM−601によって処置したマウスからのマトリゲルプラグ中の平均微細血管数を示す。10または50mg/kg静脈内注射を週3回投与した動物の群は、血管新生の有意な減少を示した(*,p<0.05)。 図8は、静脈内注射によって週3回投与したTM−601による血管新生の用量依存性阻害を示す。10および50mg/kgの用量のみが対照群と有意に異なる。それにもかかわらず、全用量群を通じて用量依存性効果があるように見える。 図9は、マトリゲルプラグのCD31免疫染色を示す。(A)対照マトリゲルプラグ。(B)50mg/kg TM−601の静脈内注射によって週3回処置した動物からのマトリゲルプラグ。(C)0.4mg/kg TM−601の静脈内注射によって週3回処置した動物からのマトリゲルプラグ。 図10は、試験経過中のマウスの体重のプロットを示す。 図11は、最終用量後のマウス血漿中のTM−601の薬物動態を示す。TM−601の各種用量について、血漿中のTM−601の濃度を時間に対してプロットする。 図12は、腫瘍−CAMでの腫瘍増殖に対するTM−601 10μgの効果を示す。TM−601は、CAMで増殖したPC−3およびU87腫瘍の腫瘍増殖を有意に低速化した。 図13は、さらなる処置を行わない(A、B、C)またはTM−601 10μgによる処置後(D、E、F)の、CAMで増殖した代表的な腫瘍の顕微鏡写真を示す。 図14は、TM−601がインビトロでU87腫瘍細胞の増殖に影響しないことを示す。U87細胞は、培地中でTM−601の存在下または非存在下で72時間増殖させた。TM−601は100μMまでの濃度では、U87細胞増殖または細胞死に何ら効果がなかった。 図15は、腫瘍−CAMでの腫瘍増殖に対するTM−601 10μgの効果を示す。TM−601は、CAMで増殖したSKMel28、PC−3、U87、および膵臓癌腫瘍の腫瘍増殖を有意に低速化した。 図16は、CAMで増殖した腫瘍のヘモグロビンの量がTM−601によって阻害されることを示す。ヒト腫瘍細胞(A):87神経膠腫、(B):D54神経膠腫または(C):膵臓癌)をマトリゲル中のCAMの表面に適用した。細胞は、生理食塩水またはTM−601 400ngのどちらかを含有していた。対照として、マトリゲルのみを適用した。7日後、移植範囲を除去して、ヘモグロビンレベルを測定した。*TM601で処置した腫瘍中のヘモグロビンレベルは、無処置細胞より統計的に低い(p<0.05)。 図17は、CAMアッセイにおける血管系の正常な発生に対するTM−601の阻害効果を示す。TM−601の最も多い3つの量(1、10および100μg)によって、血管密度の統計的に有意な低下が生じた。 図18は、TM−601がVEGF−、bFGF−およびLPS−刺激血管新生を用量依存性方式で阻害することを示す。100%を超える阻害は、阻害のレベルが無刺激生理食塩水対照値より大きいことを示し、TM−601が抗血管新生促進因子によって刺激された新生血管形成の量だけでなく、発生中のニワトリ胚に固有の血管新生から生じる新生血管形成も阻害することを示す。 図19は、血管新生促進因子(左)またはTM−601 100μgを加えた血管新生促進因子によって処置した代表的なニワトリ卵のCAMの写真を示す。血管指数密度は、写真の上に重ねた円と交差する血管の数をカウントすることによって決定する。 図20は、VEGFによって刺激された血管新生に対する静脈内TM−601に対する阻害効果を示す。TM−601の表示した用量での1回注射をニワトリ卵の目に見える大静脈に行った。阻害用量応答が観察された。 図21は、TM−601、AvastinおよびLucentisによるVEGF刺激血管新生の阻害を示す。TM−601およびLucentisは、質量基準で示したときに、最も強力な血管新生阻害薬である。 図22は、TM−601、AvastinおよびLucentisによるVEGF刺激血管新生の阻害を示す。TM−601は、モル基準で示したときに、AvastinおよびLucentisよりも効力が低い。 図23は、TM−601およびAvastin(A)またはTM−601およびLucentis(B)のVEGF刺激血管新生に対する併用効果を示す。 図24は、TM−601およびAvastin(A)またはLucentis(B)のどちらかのVEGF刺激血管新生に対する効果を示す。 図25は、脈絡膜新生血管形成(CNV)のマウスモデルにおけるTM−601が血管形成を阻害する能力を試験する実験からの結果を表す。TM−601または食塩水ビヒクルを投与された動物の新生血管形成(NV)の総面積(mm2×10−3)を示す。脈絡膜新生血管形成の統計的に有意な減少は、ブルッフ膜の破壊の日および第7日にTM−601 50μgの眼内注射を投与した動物で観察された(*p<0.05)。脈絡膜病変を第14日に分析した。 図26は、CNVのマウスモデルにおいてTM−601が既存の新生血管の退行を引き起こす能力を試験する実験からの結果を表す。TM−601または食塩水ビヒクルを投与された動物の新生血管形成(NV)の総面積(mm2×10−3)を示す。「ベースライン」は、ブルッフ膜の破壊後(すなわちTM−601による処置前)の第7日に行われた測定値を指す。脈絡膜新生血管形成の統計的に有意な退行は、第7日にTM−601 50μgの眼内注射を投与した動物で観察された(*p<0.05)。「対照」および「TM−601」値について、脈絡膜病変を第14日に分析した。 図27は、TM−601の硝子体内注射によって、脈絡膜新生血管形成のマウスモデルにおけるレーザ誘起血管部位の血管の減少が引き起こされたことを示す代表的な顕微鏡画像を表す。新生血管形成は、TM−601をレーザ誘起と同じ日に投与したときに阻害された(上パネル)。既存の新生血管系は、TM−601をレーザ誘起の7日後に投与したときに退行した(下パネル)。第14日に、すべてのマウスにフルオレセイン標識デキストランを灌流させ、脈絡膜フラットマウントを作製して、蛍光顕微鏡法で検査した。 図28は、静脈内注射した非癌性マウスでの未修飾TM−601と比較した、PEG化クロロトキシン(TM−601−PEG)の半減期を示す。PEG化によって、TM601の半減期は約32倍延長された。 図29は、マウスCNVモデルにおいて、PEG化TM−601が未修飾TM−601よりも低頻度の投薬で抗血管新生効果を達成することができることを示す。CNVモデルの微細血管密度を未修飾TM−601またはPEG化TM−601の各種の投薬計画に対してプロットした。 図30は、マウスCNVモデルにおいて結膜下注射によって投与されたTM−601の用量応答曲線を示す。 図31は、TM−601を点眼薬の局所適用によって投与したときのマウスCNVモデルにおける新生血管形成の結果を示す。 図32は、アネキシンA2発現のsiRNAノックダウンが膵臓腫瘍細胞株であるPanc−1腫瘍細胞の表面へのTM−601結合の消失を引き起こすことを示す。] 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18 図19 [0025] 定義 明細書を通して、以下の段落で定義される複数の用語が利用される。] [0026] 本明細書で使用するように、「約(about)」および「約(approximately)」は数に関連して、別途示さない限り、または状況から別途明らかでない限り、その数の両方向で(より大きいまたはより小さい)20%、10%、5%、または1%の範囲内に入る数を含むために本明細書で使用される(このような数が考えられる値の100%を超える場合を除く)。] [0027] 本明細書で使用するように、「アネキシンA2」という用語は、その正式な記号が(ヒトで)ANXA2であり、http://www.ncbi.nlm.nih.govのEntrez Geneリスティングでのその正式名称が「アネキシンA2」である、遺伝子のタンパク質生成物である(ANXA2転写産物の多様な配列は、たとえばGenBankアクセション番号M62899、NM_001002857、NM_001002858、NM_004039で見出される)。アネキシンA2はとりわけ、「アネキシンII」、および「リポコルチン2」としても公知である。] [0028] 「生物活性」という用語は、ポリペプチドを特徴付けるために本明細書で使用するとき、親ポリペプチドとの十分なアミノ酸配列相同性を共有して、そのポリペプチドよりも同様または同一の特性(たとえば癌細胞に特異的に結合するおよび/または癌細胞中に内部移行するおよび/または癌細胞を死滅させる能力)を呈する分子を示す。] [0029] 本明細書で使用するように、「癌」という用語は、制御されない細胞増殖を通例特徴とする哺乳類の生理的状態を指す、または説明する。癌の例は、これに限定されるわけではないが癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病を含む。さらに詳細には、このような癌の例は、肺癌、骨癌、肝臓癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、皮膚または眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸がん、肛門領域の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、性生殖器の癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟組織の肉腫、膀胱癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、神経外胚葉癌、脊髄軸腫瘍、神経膠腫、髄膜腫、および下垂体腺腫を含む。] [0030] 本明細書で使用するように、「癌細胞」という用語は、望ましくない制御されない細胞増殖または組織の異常な存続もしくは異常な浸潤を受けるインビボの哺乳類(たとえばヒト)の細胞を指す。インビトロでは、この用語は、適切な新鮮培地および空間が与えられれば、制御されない方式で無限に増殖するであろう、永久に不死化された樹立細胞培養物である細胞株も指す。] [0031] 本明細書で使用するように、「癌患者」という用語は、癌に罹患している、または罹患しやすい個人を指すことができる。癌患者は、癌と診断されていることも、または診断されていないこともある。この用語は、癌療法を以前に受けた個人も含む。] [0032] 「化学療法薬」および「抗癌剤または薬」という用語は、本明細書では互換的に使用される。これらは癌または癌性状態を処置するために使用される薬物を指す。抗癌薬は、慣例的に以下の群の1つに分類される:アルキル化剤、プリン拮抗薬、ピリミジン拮抗薬、植物アルカロイド、インターカレーティング抗生物質、アロマターゼ阻害薬、代謝拮抗物質、有糸分裂阻害薬、増殖因子阻害薬、細胞周期阻害薬、酵素、トポイソメラーゼ阻害薬、生物応答修飾薬、抗ホルモンおよび抗アンドロゲン。このような抗癌剤の例は、これに限定されるわけではないが、BCNU、シスプラチン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、パクリタキセル、テモゾロミド、トポテカン、フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、プロカバジン、デカルバジン、アルトレタミン、メトトレキセート、メルカプトプリン、チオグアニン、リン酸フルダラビン、クラドリビン、ペントスタチン、シタラビン、アザシチジン、エトポシド、テニポシド、イリノテカン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、タモキシフェン、フルタミド、ロイプロリド、ゴセレリン、アミノグルチミド、アナストロゾール、アムサクリン、アスパラギナーゼ、ミトキサントロン、ミトタンおよびアミフォスチンを含む。] [0033] 「併用療法」という用語は本明細書で使用するように、被験体が両方の薬剤に同時に暴露されるように、2つ以上の医薬品が重複した計画で投与される状況を指す。] [0034] 「細胞傷害性」という用語は、部分、化合物、薬物または薬剤を特徴付けるために本明細書で使用するときに、細胞の機能を阻害もしくは防止するおよび/または細胞の破壊を引き起こす部分、化合物、薬物または薬剤を指す。] [0035] 「投薬計画」は、この用語が本明細書で使用されるように、時間的期間によって隔てられて個別に投与される(通例は1つ以上の)単位用量のセットを指す。特定の医薬品に推奨される用量のセット(すなわち量、タイミング、投与経路など)は、その投薬計画を構成する。] [0036] 本明細書で使用するように「有効量」および「有効用量」という用語は、許容されるベネフィット/リスク比でその所期の目的、すなわち組織または被験体における所望の生物学的または医薬的応答を満足するのに十分である化合物または組成物の任意の量または用量を指す。たとえば、本発明のある実施形態において、目的は:血管新生を阻害すること、新生血管系の退行を引き起こすこと、アネキシンA2などの別の生物活性分子の活性を妨害することなどであり得る。関連する所期の目的は、客観的(すなわちある試験またはマーカーによって測定可能)または主観的(すなわち被験体が効果の指摘を与える、または効果を感じる)であり得る。治療的有効量は、複数の単位用量を含み得る投薬計画で普通に投与される。任意の特定の医薬品では、治療的有効量(および/または有効な投薬計画内での適切な単位用量)は、たとえば投与経路に、他の医薬品との併用に応じて変化し得る。いくつかの実施形態において、任意の特定の患者に対する具体的な治療的有効量(および/または単位用量)は、処置される障害および障害の重症度;利用される具体的な医薬品の活性;利用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、一般健康状態、性別および食事;投与時間、投与経路、および/または利用した特定の医薬品の排出もしくは代謝速度;処置期間;ならびに医療分野で周知であるような同様の因子を含む多様な因子に依存し得る。] [0037] 本明細書で使用するように、「フルオロフォア」、「蛍光部分」、「蛍光標識」、「蛍光染料」および「蛍光標識部分」は、本明細書では互換的に使用される。これらは、溶解して適切な波長の光によって励起されたときに、光を再び放出する分子を指す。多種多様の構造および特徴の多くの蛍光染料が本発明の実施で使用されるのに好適である。同様に、核酸を蛍光標識するための方法および物質が公知である(たとえばR.P.Haugland,“Molecular Probes:Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals 1992−1994”,5thEd.,1994,Molecular Probes,Inc.を参照)。フルオロフォアを選択するにあたって、蛍光分子が高い効率で光を吸収して、蛍光を放出し(すなわちそれぞれ高いモル吸収係数および蛍光量子収率)、光安定性である(すなわちフルオロフォアが、分析を実施するために必要な時間に光励起で著しい分解を受けない)ことがしばしば所望である。] [0038] 本明細書で使用するように「融合タンパク質」という用語は、その個々のペプチド主鎖を介して共有結合によって結合された2つ以上のタンパク質またはその断片を含む分子を指し、これらのタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子の遺伝子発現によって生成されることが多い。] [0039] 本明細書で使用するように、「相同の」(または「相同性」)という用語は、2つのポリペプチド分子間のまたは2つの核酸分子間の同一性の程度を指す。両方の比較された配列内の位置が同じ塩基またはアミノ酸モノマーサブユニットによって占有されているとき、ここで各分子はその位置において相同である。2つの配列間の相同性のパーセンテージは、2つの配列によって共有される一致または相同位置の数を比較した位置の数で割り、100を掛けたものに相当する。一般に、2つの配列が整列されて最大の相同性を得られるときに比較が行われる。相同性アミノ酸配列は同一または同様のアミノ酸残基を共有する。同様の残基は、参照配列内の対応するアミノ酸残基に対する保存的置換であるか、またはアミノ酸残基の「許容された点突然変異」である。参照配列内の残基の「保存的置換」は、たとえば同じサイズ、形状、電荷、共有または水素結合を形成する能力を含む化学的特性などを有する、対応する参照残基に物理的または機能的に類似した置換である。いくつかの実施形態において、本発明によって利用される保存的置換は、Dayhoffらによって「認められた点突然変異」について定義された基準を満足する保存的置換である(“Atlas of Protein Sequence and Structure”,1978,Nat.Biomed.Res.Foundation,Washington,DC,Suppl.3,22:354−352)。] [0040] 本明細書で使用するように、「相同体」という用語は、別のポリペプチドまたは遺伝子との指定された程度の配列同一性(および/または類似性)を示すポリペプチドまたは遺伝子を指す。たとえば少なくとも約30〜40%の、しばしば約50%、60%、70%、または80%を超える、別のポリペプチドとの配列全体の同一性を示し、通常は少なくとも3〜4個の、しばしば20個以上までのアミノ酸を含む、1つ以上の高度に保存された領域においてしばしば90%またはなお95%、96%、97%、98%、または99%を超える、別のポリペプチドとの同一性がはるかに高い少なくとも1つの領域をさらに含む任意のポリペプチドが、そのポリペプチドの相同体である。多くの実施形態において、ポリペプチドの相同体は、ポリペプチドとの配列類似性および/またはポリペプチドの少なくとも1つの機能的属性または活性をさらに共有する。遺伝子またはヌクレオチド配列に関して、(i)別の遺伝子もしくはヌクレオチド配列との少なくとも60%の配列全体の同一性を示す;およびまたは(ii)他方の遺伝子もしくはヌクレオチド配列によってコードされたポリペプチドの相同体をコードする、任意の遺伝子またはヌクレオチド配列は、その遺伝子またはヌクレオチド配列の相同体である。当業者に公知であるように、同一性および/または類似性の程度を評価する目的でアミノ酸またはヌクレオチド配列の比較を実施するために、多様な方法が公知であり、ツールが利用できる。これらの方法は、たとえば手動アラインメント、コンピュータ支援配列アラインメントおよびその組合せを含む。配列アラインメントを実施するための(一般にコンピュータで実行される)いくつかのアルゴリズムは、幅広く利用可能であり、または当業者によって作成することができる。代表的なアルゴリズムは、たとえばSmith and Watermanの局所相同性アルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2:482);NeedlemanおよびWunschの相同性アラインメントアルゴリズム(J.Mol.Biol.,1970,48:443);PearsonおよびLipmanの類似性検索法(Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),1988,85:2444);ならびに/またはこれらのアルゴリズムのコンピュータによる実行(たとえばGAP,BESTFIT,FASTA,and TFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis)を含む。このようなアルゴリズムを含む、ただちに入手可能なコンピュータプログラムは、たとえばBLASTN、BLASTP、Gapped BLAST、PILEUP、CLUSTALWなどを含む。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用するときに、各プログラムのデフォルトパラメータが使用され得る。代わりに実施者は、その実験的および/または他の要件に応じた非デフォルトパラメータを使用し得る(たとえばURL www.ncbi.nlm.nih.govを有するウェブサイトを参照)。] [0041] 「個人」および「被験体」という用語は、本明細書では互換的に使用される。これらは、疾患または障害(たとえば癌、黄斑変性症など)に罹患し得るまたは罹患しやすいが、疾患または障害を有することも有さないこともある、ヒトまたは別の哺乳動物(たとえばマウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマまたは霊長類)を指す。多くの実施形態において、被験体はヒトである。多くの実施形態において、被験体は患者である。別途指摘しない限り、「個人」および「被験体」という用語は、特定の年齢を示さず、それゆえ成人、小児、および新生児を含む。] [0042] 本明細書で使用するように、「阻害する」という用語は、何かが起きるのを防止すること、起きていることの発生を遅延すること、および/または起きていることの程度および尤度を低下させることを意味する。それゆえ「血管新生を阻害すること」および「新生血管系の形成を阻害すること」は、血管新生の発生を防止、遅延する、および/または血管新生の発生の尤度を低下させるのはもちろんのこと、新生血管の数、増殖速度、サイズなどを低減することも含むことを意図する。] [0043] 「標識した」および「検出可能な薬剤または部分によって標識した」という用語は、実体(たとえばクロロトキシンまたはクロロトキシンコンジュゲート)が、たとえば別の実体(たとえば新生腫瘍組織)に結合された後に描出できることを規定するために、本明細書で互換的に使用される。検出可能な薬剤または部分は、薬剤または部分が測定可能であるシグナルを発生する、およびその強度が結合された実体の量に関連付けられる(たとえば比例する)ように選択され得る。タンパク質およびペプチドを標識および/または検出する多種多様なシステムが当分野で公知である。標識タンパク質およびペプチドは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、化学的または他の手段によって検出できる標識の包含、または標識へのコンジュゲーションによって調製できる。標識もしくは標識部分は、直接検出可能であり得る(すなわち標識もしくは標識部分は、任意のさらなる反応もしくは操作が検出される必要がない、たとえばフルオロフォアは直接検出可能である)、または標識もしくは標識部分は、間接的に検出され得る(すなわち標識もしくは標識部分は、検出可能である別の実体との反応または結合によって検出可能とされ、たとえばハプテンは、フルオロフォアなどのレポータを含む適切な抗体との反応後に免疫染色することによって検出可能である)。好適な検出可能な薬剤は、これに限定されるわけではないが、放射性核種、フルオロフォア、化学発光剤、微粒子、酵素、比色標識、磁性標識、ハプテン、分子ビーコン、アプタマービーコンなどを含む。] [0044] 本明細書で使用するように、「黄斑変性症」という用語は、網膜への損傷のために視野中心(黄斑)で失明を生じる病状を指す。黄斑変性症には複数の形が存在することが公知であり、別途規定しない限り、「黄斑変性症」という用語はすべての形を含む。「滲出型黄斑変性症」(新生血管または滲出型としても公知)は、網膜後ろの脈絡膜からの血管の増殖を含む黄斑変性症を指す。滲出型黄斑変性症において、網膜は時々、剥離することがある。「乾性黄斑変性症」において(非滲出型としても公知)、ドルーゼンと呼ばれる細胞残屑は、網膜と脈絡膜との間に蓄積するが、血管形成は発生しない。「加齢性黄斑変性症」(ARMD)は、黄斑変性症の最も一般的な形を指し、通例、高齢期に開始して、網膜の黄色沈着物を特徴とする。ARMDは、黄斑変性の湿性または乾性のどちらかの形で発生し得る。] [0045] 本明細書で使用するように、「転移(metastasis)」(時々、「mets」と省略され、複数形「metastases」)は、1つの器官または組織から別の位置への腫瘍細胞の広がりを指す。この用語は、転移の結果として新たな位置に生成する腫瘍組織も指す。「転移癌」は、元の、すなわち原発性位置から広がる癌であり、「続発性癌」または「続発性腫瘍」とも呼ばれ得る。一般に、転移性腫瘍は、腫瘍が発生する原発性腫瘍の組織にちなんで命名される。それゆえ、肺に転移した乳癌は、いくつかの癌細胞が肺に位置しても、「転移性乳癌」と呼ばれ得る。] [0046] 本明細書で使用するように、「新生血管系」という用語は、まだ完全に成熟していない、すなわち密着細胞接合部を備える完全に形成された内皮内層または周囲平滑筋細胞の完全な層を有さない、新たに形成された血管を指す。本明細書で使用するように、「新生血管」という用語は、新生血管系の血管を指すために使用される。] [0047] 「正常な」または「健康な」という用語は、本明細書では互換的に使用される。これらは、腫瘍を有さない個人または個人の群を指す。「正常な」という用語は、本明細書では、健康な個人から単離された組織試料を限定するためにも使用される。] [0048] 「医薬品」、「治療剤」および「薬物」は、本明細書では互換的に使用される。これらは疾患、障害、または臨床状態の処置、抑制、および/または検出に有効な物質、分子、化合物、薬剤、因子または組成物を指す。] [0049] 「製薬組成物」は本明細書では、少なくとも1つの活性成分(たとえば標識され得るまたは標識され得ないクロロトキシンまたはクロロトキシンコンジュゲート)の有効量、および少なくとも1つの製薬的に許容される担体を含む組成物として定義される。] [0050] 本明細書で使用するように、「製薬的に許容される担体」という用語は、活性成分の生物活性の有効性を妨害しない、およびそれが投与される濃度で宿主に対して過度に毒性でない担体媒体を指す。この用語は、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤などを含む。製薬活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当分野で周知である(たとえば参照によりその全体が本明細書に組み入れられている、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”,E.W.Martin,18thEd.,1990,Mack Publishing Co.:Easton,PAを参照)。] [0051] 本明細書で使用するように、「予防すること」という用語は、薬剤のプロセス(たとえば血管新生)に対する作用を指すために使用するとき、薬剤(たとえば治療剤)がそのプロセスと関連する1つ以上の症状または属性の発症前に投与される場合に、このようなプロセスの程度を低下させることおよび/またはこのようなプロセスの開始を遅延させることを意味する。] [0052] 本明細書で使用するように、「原発性腫瘍」という用語は、最初に発生した元の部位にあり、すなわちその部位に広がったのとは対照的である腫瘍を指す。] [0053] 「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチド」という用語は、本明細書では互換的に使用され、中性(非荷電)形でまたは塩としてのどちらかで、および未修飾のまたはグリコシル化、側鎖酸化、もしくはホスホリル化によって修飾されているかのどちらかの、多様な長さのアミノ酸配列を指す。ある実施形態において、アミノ酸配列は、全長未変性タンパク質である。他の実施形態において、アミノ酸配列は、全長タンパク質のより短い断片である。なお他の実施形態において、アミノ酸配列は、アミノ酸側鎖に結合されたさらなる置換基、たとえばグリコシル単位、脂質、またはホスフェートなどの無機イオンによってはもちろんのこと、鎖の化学変換に関連する修飾、たとえばスルフヒドリル基の酸化によっても修飾される。それゆえ、「タンパク質」(またはその同等語)は、その特異的な特性は変化させないこのような修飾を受ける、全長未変性タンパク質のアミノ酸配列を含むことを意図する。特に、「タンパク質」という用語は、タンパク質アイソフォーム、すなわち同じ遺伝子によってコードされるが、そのpIもしくはMW、または両方が異なるバリアントを含む。このようなアイソフォームは、そのアミノ酸配列が異なることが可能であり(たとえば代わりのスライシングまたは制限タンパク質分解の結果として)、または代わりに、翻訳後修飾の違い(たとえばグリコシル化、アシル化またはホスホリル化)から発生し得る。] [0054] 「タンパク質類似体」という用語は、本明細書で使用するように、親ポリペプチドと同様または同一の機能を有するが、親ポリペプチドのアミノ酸配列と同様もしくは同一であるアミノ酸配列を必ずしも含む必要がない、または親ポリペプチドの構造と同様もしくは同一である構造を有するポリペプチドを指す。本発明の状況において、タンパク質類似体は、親ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも30%(いくつかの実施形態において、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%)同一であるアミノ酸配列を有し得る。さらに、当業者は、タンパク質配列が活性を破壊することなく、ある置換に一般に耐えることを理解するであろう。それゆえ、活性を保持して、少なくとも約30〜40%の、しばしば約50%、60%、70%、または80%を超える、親ポリペプチドとの配列全体の同一性を共有し、通常は少なくとも3〜4個の、しばしば20個以上までのアミノ酸を含む、1つ以上の高度に保存された領域においてしばしば90%、96%、97%、98%または99%を超える、親ポリペプチドとの同一性がはるかに高い少なくとも1つの領域を通常さらに含む任意のポリペプチドが、「タンパク質類似体)という用語に含まれる。] [0055] 本明細書で使用するように、「タンパク質断片」という用語は、第2のポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも5アミノ酸残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。タンパク質の断片は、親ポリペプチドの機能活性を所有し得るか、または所有し得ない。] [0056] 「退行する」という用語は、血管および/または血管系(新生血管系および/または新生血管を含む)を指すために使用するとき、本明細書では縮退すること、収縮することなどを意味するために使用される。] [0057] 本明細書で使用するように、「小型分子」という用語は、生物プロセスに影響を及ぼすように作用できる任意の化学的または他の部分を含む。小型分子は、現在公知であり使用されている任意の数の治療剤を含むことができるか、または生物機能をスクリーニングする目的のこのような分子のライブラリで合成された小型分子であることが可能である。小型分子は、サイズによって巨大分子と区別される。本発明での使用に好適な小型分子は通常、約5,000ダルトン(Da)未満の、約2,500Da未満の、約1,000Da未満の、または約500Da未満の分子量を有する。] [0058] 本明細書で使用するように、「罹患しやすい」という用語は、(通例、遺伝的素因、環境因子、個人歴、またはその組合せに基づいて)何かに、すなわち疾患、障害、または状態、たとえば転移癌に対して、一般集団で見られるよりも高いリスクおよび/または傾向を有することを意味する。この用語は、状態に「罹患しやすい」個人がその状態と診断され得ないことを考慮する。] [0059] 本明細書で使用するように、「全身投与」という用語は、薬剤が有意な量で体内に広く分布して、血中で生物効果、たとえばその所望の効果を有し、および/または血管系を介して所望の作用部位に到達するような、薬剤の投与を指す。代表的な全身投与経路は、(1)薬剤を血管系に直接導入すること、または(2)薬剤が吸収され、血管系に入り、血液を介して1つ以上の所望の作用部位に輸送される、経口、経肺、もしくは筋肉内投与による投与を含む。] [0060] 「組織」という用語は、本明細書ではその最も広い意味で使用される。組織は、腫瘍細胞を含むことができる(しかし必ずしも含まない)任意の生物的実体であり得る。本発明の状況において、インビトロ、インビボおよびエクスビボ組織が考慮される。それゆえ組織は、個人の一部であり得るか、または個人から(たとえば生検によって)採取され得る。組織は、組織の切片、たとえば組織学的目的で採取した冷凍切片または公知の診断、処置および/もしくは成績履歴を有するアーカイブ試料も含み得る。組織という用語は、組織試料を処理することによって得た任意の物質も含む。得られた物質は、これに限定されるわけではないが、組織から単離した細胞(またはその子孫)を含む。組織試料の処理は:濾過、蒸留、抽出、濃縮、妨害成分の不活性化、試薬の添加などの1つ以上を含み得る。] [0061] 「処置」という用語は、本明細書では、(1)疾患、障害、もしくは状態の開始を遅延または防止すること;(2)疾患、障害、もしくは状態の症状の1つ以上の進行、増悪、または悪化を低速化または停止すること;(3)疾患、障害、もしくは状態の症状の改善を引き起こすこと;(4)疾患、障害、もしくは状態の重症度もしくは発生率を低下させること;または(5)疾患、障害、もしくは状態を治癒することを目的とする方法またはプロセスを特徴付けるために使用される。処置は、予防または防止作用のために疾患、障害、または状態の開始前に投与され得る。代わりにまたはさらに、処置は、治療的作用のために疾患、障害、または状態の開始後に投与され得る。] [0062] ある実施形態の詳細な説明 本発明は、とりわけ、血管新生を阻害する、および/または減少させる方法に関する。本明細書で提供する方法は、細胞傷害性部分、第2の治療剤、標識部分および/またはその組合せと会合され得るまたは会合され得ないクロロトキシン剤の投与を含むことが多い。クロロトキシン剤は、たとえばポリエチレングリコールなどのポリマーに共有結合され得る。ある実施形態において、新しい血管の形成が阻害される、および/または既存の新生血管系が退行する。] [0063] 本発明により、当分野の技能の範囲内で慣例的な分子生物学、微生物学、および組み換えDNA技法が使用され得る。このような技法は、文献で十分に説明されている。たとえばManiatis,Fritsch&Sambrook,“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,1982;“DNA Cloning:A Practical Approach,” Volumes I and II,D.N.Glover(Ed.),1985;“Oligonucleotide Synthesis”,M.J.Gait(Ed.),1984;“Nucleic Acid Hybridization”,B.D.Hames&S.J.Higgins(Eds.),1985;“Transcription and Translation”B.D.Hames&S.J.Higgins(Eds.),1984;“Animal Cell Culture”,R.I.Freshney(Ed.),1986;“Immobilized Cells And Enzymes”,IRL Press,1986;B.Perbal,“A Practical Guide To Molecular Cloning”,1984を参照。] [0064] I.試薬および部分 本発明の方法は、被験体(異常な血管新生を特徴とする状態または疾患を有する、有した、または発症するリスクに瀕した被験体など)への、血管新生を対照と比較して減少させるのに有効な量のクロロトキシン剤の投与を含み得る。] [0065] A.クロロトキシン剤 本明細書で使用するように、「クロロトキシン剤」という用語は、少なくとも1つのクロロトキシン部分を含む化合物を指す。ある実施形態において、クロロトキシン剤は、第2の治療剤(たとえば抗癌剤)と会合されている。クロロトキシン剤(および/または治療剤)は、少なくとも1つの標識部分と会合され得る。] [0066] 本明細書で使用するように、「クロロトキシン部分」という用語は、クロロトキシン、生物活性クロロトキシンサブユニットまたはクロロトキシン誘導体を指す。] [0067] ある実施形態において、「クロロトキシン」という用語は、Leiurus quinquestriatusサソリ毒に天然由来の全長の36アミノ酸ポリペプチドを指し(DeBinら、Am.J.Physiol.,1993,264:C361−369)、この毒は、その内容が参照により本明細書に組み入れられている国際出願番号WO 2003/101474の配列番号1に示すような未変性クロロトキシンのアミノ酸配列を含む。「クロロトキシン」という用語は、(その全体が参照により本明細書に組み入れられている)米国特許第6,319,891号に開示されたものなどの、合成または組み換えにより産生された配列番号1を含むポリペプチドを含む。] [0068] 「生物活性クロロトキシンサブユニット」は、クロロトキシンの36未満のアミノ酸を含み、クロロトキシンの少なくとも1つの特性または機能を保持するペプチドである。本明細書で使用するように、クロロトキシンの「特性または機能」は、これに限定されるわけではないが、新生血管の形成を阻害する、および/または新生血管の退行を引き起こすその能力;(たとえばアネキシンA2を含み得る)その結合パートナーの活性を妨害する能力;異常な細胞増殖を停止させる能力;正常細胞と比較して、腫瘍/癌細胞に特異的に結合する能力;正常細胞と比較して、転移性腫瘍/癌細胞または転移した腫瘍/癌細胞に結合する能力;腫瘍/癌細胞に内部移行する能力;腫瘍/癌細胞を死滅させる能力を含む。腫瘍/癌細胞は、インビトロ、エクスビボ、インビトロで、被験体、培養細胞、または細胞株からの転移、原発性単離物の部分であり得る。] [0069] 本明細書で使用するように、「生物活性クロロトキシン誘導体」という用語は、(上述のような)クロロトキシンの少なくとも1つの特性または機能を保持する、クロロトキシンおよび関連ペプチドの多種多様の誘導体、類似体、バリアント、ポリペプチド断片およびミメティックのいずれも指す。クロロトキシン誘導体の例は、これに限定されるわけではないが、クロロトキシンのペプチドバリアント、クロロトキシンのペプチド断片、たとえば国際出願番号WO 2003/101474に示すような配列番号1、2、3、4、5、6、もしくは7の連続10マーペプチドを含むもしくは10マーペプチドから成る、または国際出願番号WO 2003/101474に示すような配列番号1の残基10−18または21−30を含む断片、コア結合配列、およびペプチドミメティックを含む。] [0070] クロロトキシン誘導体の例は、クロロトキシンの活性と関連する、少なくとも約7の、約8の、約9の、約10の、約15の、約20の、約25の、約30または約35の連続アミノ酸残基を有する、国際出願番号WO 2003/101474の配列番号1で示すアミノ酸配列の断片を有するペプチドを含む。このような断片は、顕著な親水性の領域と同様に、公知のペプチドドメインに相当するアミノ酸配列の領域として同定される、クロロトキシンペプチドの機能性領域を含有し得る。このような断片は、任意の順序で相互に連結された2つのコア配列も含むことがあり、介在アミノ酸は除去されるか、またはリンカーによって置換されている。] [0071] クロロトキシンの誘導体は、誘導体配列およびクロロトキシン配列を最大限に整列させたときに、少なくとも1つのアミノ酸残基の保存的または非保存的置換を含むポリペプチドを含む。置換は、クロロトキシンの少なくとも1つの特性もしくは機能を向上させる、クロロトキシンの少なくとも1つの特性もしくは機能を阻害する、またはクロロトキシンの少なくとも1つの特性もしくは機能に対して中立である、置換であり得る。] [0072] 本発明の実施での使用に好適なクロロトキシンの誘導体の例は、国際出願番号WO 2003/101474(その全体が参照により本明細書に組み入れられている)に記載されている。詳細な例は、この国際出願に示されるような配列番号8もしくは配列番号13を含む、または配列番号8もしくは配列番号13から成るポリペプチドはもちろんのこと、そのバリアント、類似体、および誘導体も含む。] [0073] クロロトキシン誘導体の他の例は、たとえば相同組換え、部位特異的またはPCR変異誘発による所定の突然変異を含むこれらのポリペプチド、およびペプチドのファミリーの対立遺伝子または他の天然型バリアント;ならびにペプチドが置換、化学的、酵素的または他の適切な手段によって、天然型アミノ酸以外の部分(たとえば酵素または放射性同位体などの検出可能な部分)で共有結合的に修飾されている誘導体を含む。] [0074] クロロトキシンおよびそのペプチド誘導体は、当分野で公知であるような標準固相(または液相)ペプチド合成法を含む、多種多様の方法のいずれを使用しても調製できる。さらに、これらのペプチドをコードする核酸は、市販のオリゴヌクレオチド合成装置を使用して合成することができ、タンパク質は、標準組換え産生システムを使用して組換え産生され得る。] [0075] 他の好適なクロロトキシン誘導体は、クロロトキシンの3次元構造を模倣するペプチドミメティックを含む。このようなペプチドミメティックは、たとえば、より経済的な産生、より高い化学安定性、薬理学的特性の向上(半減期、吸収、効力、有効性など)、改変された特異性(たとえば広範囲の生物活性、抗原性の低下およびその他)を含む、天然型ペプチドを超える著しい利点を有し得る。] [0076] ある実施形態において、ミメティックは、クロロトキシンペプチド2次構造の要素を模倣する分子である。タンパク質のペプチド主鎖は主に、抗体および抗原の分子間相互作用などの、分子間相互作用を促進するような方法でアミノ酸側鎖を配向させるために存在する。ペプチドミメティックは、天然分子に類似した分子間相互作用を可能にすることが予想される。ペプチド類似体は、テンプレートペプチドの特性に類似した特性を備えた非ペプチド薬として、製薬業界で一般に使用される。このような種類の化合物は、ペプチドミメティック(peptide mimetic)またはペプチドミメティック(peptidomimetic)とも呼ばれ(たとえばFauchere,Adv.Drug Res.,1986,15:29−69;Veber&Freidinger,1985,TrendsNeurosci.,1985,8:392−396;Evansら、J.Med.Chem.,1987,30:1229−1239を参照)、通常はコンピュータによる分子モデル化を用いて開発される。] [0077] 一般に、ペプチドミメティックは、パラダイムポリペプチド(すなわち生化学特性または薬理活性を有するポリペプチド)に構造的に類似しているが、非ペプチド結合によって場合により置換される1つ以上のペプチド結合を有する。ペプチドミメティックの使用は、薬物ライブラリを作製するためのコンビナトリアルケミストリの使用によって強化することができる。ペプチドミメティックの設計は、ペプチドの、たとえば腫瘍細胞への結合を増強または低減するアミノ酸突然変異を同定することによって補助できる。使用可能な手法は、酵母2ハイブリッド法(たとえばChienら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1991,88:9578−9582を参照)およびファージ提示法の使用を含む。2ハイブリッド法は、酵母中のタンパク質間相互作法を検出する(Fieldら、Nature,1989,340:245−246)。ファージ提示法は、固定化タンパク質と、ラムダおよびM13などのファージ表面で発現されるタンパク質との間の相互作用を検出する(Ambergら、Strategies,1993,6:2−4;Hogrefeら、Gene,1993,128:119−126)。これらの方法によって、ペプチド−タンパク質相互作用の正および負の選択ならびにこれらの相互作用を判定する配列の同定が可能となる。] [0078] ある実施形態において、クロロトキシン剤は、上述のクロロトキシンに類似または関連した活性を提示する別のサソリ種のポリペプチド毒素を含む。本明細書で使用するように、「クロロトキシンに類似または関連した」という用語は、特に、腫瘍/癌細胞への選択的/特異的結合を指す。好適な関連するサソリ毒の例は、これに限定されるわけではないが、クロロトキシンに対するアミノ酸および/またはヌクレオチド配列同一性を提示するサソリ起源の毒素または関連するペプチドを含む。関連するサソリ毒の例は、これに限定されるわけではないが、Mesobuthus martenssiによるCT神経毒(GenBankアクセション番号AAD473730)、Buthus martensii karschによる神経毒BmK 41−2(GenBankアクセション番号A59356)、Buthus martensiiによる神経毒Bm12−b(GenBankアクセション番号AAK16444)、Leiurus quinquestriatus hebraeuによるProbable Toxin LGH8/6(GenBankアクセション番号P55966)、およびMesubutus tamulus sindicusによるSmall toxin(GenBankアクセション番号P15229)を含む。] [0079] 本発明での使用に好適な関連するサソリ毒は、国際出願番号WO 2003/101474(その全体が参照により本明細書に組み入れられている)の配列番号1で示すようなクロロトキシン配列全体との配列同一性が少なくとも約75%の、少なくとも約85%の、少なくとも約90%の、少なくとも約95%の、または少なくとも約99%のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。ある実施形態において、関連するサソリ毒は、国際出願番号WO 2003/101474に示すようなクロロトキシンの配列番号8または配列番号13と相同の配列を有するこのようなサソリ毒を含む。] [0080] 修飾 ある実施形態において、クロロトキシン剤は未標識である。ある実施形態において、クロロトキシン剤は標識されている。標識方法および標識部分の例は、本明細書に記載されている。] [0081] ある実施形態において、クロロトキシン剤は、ポリマーなどの巨大分子への共有結合によって修飾される。いずれの特定の理論にも束縛されたくはないが、たとえばポリマーの共有結合は、動物の体内でのクロロトキシン剤の生物学的利用能および/または耐性が改善されるように、クロロトキシン剤を抗原的にマスキングし得る。このようなポリマーの例は、ポリエチレングリコール(PEG)であり、ペプチドおよび/もしくはポリペプチドのNおよび/もしくはC末端にならびに/またはシステインに共有結合可能であることが多い。「PEG化」は、PEGの分子への共有結合的付加を指す。] [0082] いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤はいずれの部位でも修飾されない。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、分子1個につき1つの部位で修飾される(たとえばPEG化による)。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、分子1個につき1つを超える部位で修飾される(たとえばPEG化による)。] [0083] いくつかの実施形態において、このような修飾によって、インビボでのクロロトキシン剤の半減期が延長される。たとえば半減期は、少なくとも約10時間、少なくとも約16時間などであり得る(たとえば実施例7を参照)。このように改善された生物学的利用能によって、いくつかの実施形態において、より低い投薬頻度を含む投薬計画が促進される(投薬計画は本明細書で議論する)。] [0084] クロロトキシン剤の細胞への結合 クロロトキシン剤はたとえば、細胞膜の外面に存在する抗原を介して細胞に結合し得る。] [0085] 本明細書で紹介および議論するデータによって、アネキシンA2がクロロトキシンの潜在的な結合パートナーであることが示される。いくつかの実施形態において、抗原は、アネキシンA2または関連するファミリーメンバである。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤はアネキシンA2を直接結合する。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤はアネキシンA2を間接的に、たとえば他の分子との結合を介して結合する。クロロトキシン剤およびアネキシンA2はたとえば、他の分子を含む複合体として存在し得る。] [0086] ある実施形態において、クロロトキシン剤は癌細胞に結合する;いくつかのこのような実施形態において、クロロトキシン剤は、正常細胞よりも癌細胞を選択的に標的とする。] [0087] B.第2の治療剤 すでに上述したように、ある実施形態において、クロロトキシン剤は第2の治療剤と会合され得るか、および/または方法は、第2の治療剤を投与することを含むさらなるステップを含み得る。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤および第2の治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、第2の治療剤を投与する前および/または後に投与される。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤および第2の治療剤は、体内でのその活性および/または有効性の期間が重複するような時間ウィンドウ内に投与される。いずれの特定の理論にも束縛されたくはないが、いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤と組合せて第2の治療剤を投与することによって、血管新生の阻害および/または防止に対する相加および/または相乗効果が提供され得る。] [0088] 好適な治療剤は、疾患または臨床状態の処置に有効である多種多様の物質、分子、化合物、薬剤または因子のいずれも含む。ある実施形態において、第2の治療剤は化学療法薬(すなわち抗癌薬)である。好適な抗癌薬は、癌細胞に直接または間接的に毒性または有害である多種多様の物質、分子、化合物、薬剤または因子のいずれも含む。] [0089] 当業者によって認識されるように、治療剤は、合成または天然化合物:単一分子、異なる分子の混合物または異なる分子の複合体であり得る。好適な治療部分は、これに限定されるわけではないが、小型分子、ペプチド、タンパク質、サッカライド、ステロイド、抗体(その断片およびバリアントを含む)、融合タンパク質、アンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム、低分子干渉RNA、ペプチドミメティック、放射性核種などを含む、各種の化合物のクラスのいずれかに属することができる。] [0090] 第2の治療剤が抗癌薬を含むとき、抗癌薬はたとえば抗癌薬の以下のクラス:アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗有糸分裂抗生物質、血管新生阻害薬、アルカロイド抗腫瘍剤、ホルモンおよび抗ホルモン、インターフェロン、非ステロイド性抗炎症薬、ならびに各種の他の抗腫瘍剤、たとえばキナーゼ阻害薬、プロテアソーム阻害薬およびNF−κB阻害薬に見出すことができる。] [0091] 抗癌薬の例は、これに限定されるわけではないが、いくつか挙げると、アルキル化薬(たとえばメクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド、テモゾロミドなど)、代謝拮抗薬(たとえばメトトレキセートなど)、プリン拮抗薬およびピリミジン拮抗薬(たとえば6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン(cytraribine)、ゲムシタビンなど)、紡錘体毒(たとえばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセルなど)、ポドフィロトキシン(たとえばエトポシド、イリノテカン、トポテカンなど)、抗生物質(たとえばドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシンなど)、ニトロソ尿素(nitrosurea)(たとえばカルムスチン、ロムスチン、ノムスチンなど)、無機イオン(たとえばシスプラチン、カルボプラチンなど)、酵素(たとえばアスパラギナーゼなど)、およびホルモン(たとえばタモキシフェン、ロイプロリド、フルタミド、メゲストロールなど)を含む。最新の癌療法のさらなる包括的な議論については、その内容が参照により本明細書に組み入れられている、http://www.cancer.gov/、FDA承認腫瘍薬のリストhttp://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htm、およびThe Merck Manual,Seventeenth Ed.1999を参照。] [0092] いくつかの抗癌薬は、癌細胞の増殖および/または複製を停止させることによって作用する。このような薬物は一般に、「細胞増殖抑制性」として分類される。ある実施形態において、治療剤は細胞増殖抑制剤を含む。細胞増殖抑制剤の例は、アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物アルカロイド(aklyloid)およびテルペノイド(ビンカアルカロイド、ポドフィロトキシン、タキサンなどを含む;VP−16は植物アルカロイドの例である)、トポイソメラーゼ阻害薬、抗腫瘍抗体、ホルモンなどを含む。] [0093] ある実施形態において、第2の治療剤は血管新生阻害薬を含む。好適な血管新生阻害薬は、これに限定されるわけではないが、αVβ3(インテグリン)拮抗薬、AG3340、AGM−1470(フマギリン類似体)、アンギオポエチン−2、アンギオスタチン、アンギオスタチン−エンドスタチン融合タンパク質、アンギオザイム(商標)、抗Flk/KDR、抗浸潤因子、抗VEカドヘリン、抗VEGF、BMS−275291、VEGFのアプタマー拮抗薬、バチマスタット、ベバシズマブ(Avastin(商標))、カンスタチン、カプトプリル、カルボキシアミドトリアゾール(CAI)、軟骨由来阻害薬(CDI)、CM101、COL−3、コンブレスタチンA4、EMD−121974、エンドスタチン、エルロチニブ(タルセバ(商標))、エストラジオール誘導体、flt−1、フマギリン、ゲフィニチブ(イレッサ(商標))、ゲニステイン、IM862、インターフェロン−アルファ、インターロイキン−12、K5、ラベンダスチン、レナリドマイド(Alenalidomide)、LM609(αVβ3に対する抗体)、マリマスタット、マスピン、メタスタット、2−メトキシ−エストラジオール、neoretna、ネオバスタット、NX1838、ペガプタニブ(Macugen(商標))、PD−173074、PI−88、オキシインドール誘導体、パクリタキセル、psovascar、PTK787/ZK22584、ラニビズマブ(ranabizumab)(Lucentis(商標))、レチノイン酸、RG8803、スクアラミン、S−836、SC−68448、SU5416、SU6668、SU11248(スニチニブ)、TBC−1635、TBC−2653、TBC−3685、サリドマイド、チアゾロピリミジン誘導体、トロンボスポンジン2、TNP470(フマギリン類似体)、トロポニンI、バスキュロスタチン、ビタキシン、ZD0101などを含み得る(本リストは包括的ではない)。] [0094] VEGF阻害薬は、VEGFに対する抗体および抗体断片(たとえばAvastin(商標)(ベバシズマブ)およびLucentis(商標)(ラニビズマブ(ranabizumab))など)、抗VEGFリボザイム、VEGFのアプタマー阻害薬などを含む。] [0095] いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、広範囲の阻害薬である。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、VEGF、bFGF、LPS、EGF、IL−6、PDGF、TNFα、およびHPFからなる群より選択される1つ以上の因子によって刺激された血管新生を阻害する。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、VEGF、bFGF、LPS、EGF、IL−6、PDGF、TNFα、またはHPFによって刺激された血管新生を阻害しない。] [0096] いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、Avastin(商標)(ベバシズマブ)、Lucentis(商標)(ラニビズマブ(ranabizumab))、またはその組合せである。] [0097] ある実施形態において、第2の治療剤は、細胞傷害剤を含む。細胞傷害剤の例は、毒素、他の生物活性タンパク質、通常の化学療法剤、酵素、および放射性同位体を含む。] [0098] 好適な細胞傷害性毒素の例は、これに限定されるわけではないが、細菌毒素および植物毒素、たとえばゲロニン、リシン、サポニン、Pseudomonas体外毒素、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ジフテリア毒素などを含む。] [0099] 好適な細胞傷害性生物活性タンパク質の例は、これに限定されるわけではないが、補体系のタンパク質(または補体タンパク質)を含む。補体系は、生物からの病原体の除去を補助して、治癒を促進する複雑な生化学的カスケードである(B.P.Morgan,Crit.Rev.Clin.Lab.Sci.,1995,32:265)。補体系は、35を超える溶解性および細胞結合タンパク質から成り、そのうち12は補体経路に直接関与している。] [0100] 好適な細胞傷害性化学療法剤の例は、これに限定されるわけではないが、タキサン(たとえばドセタキセル、パクリタキセルなど)、メイタンシン、デュオカルマイシン、CC−1065、オーリスタチン、カリケアマイシン(calicheamincin)および他のエンジイン抗腫瘍抗生物質を含む。他の例は、葉酸拮抗薬(たとえばアミノプテリン、メトトレキセート、ペメトレキセド、ラルチトレキセドなど)、ビンカアルカロイド(たとえばビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、ビンデシン、ビノレルビンなど)、およびアントラサイクリン(たとえばダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、バルルビシンなど)を含む。] [0101] 好適な細胞傷害性酵素の例は、これに限定されるわけではないが、核酸分解酵素を含む。] [0102] 好適な細胞傷害性放射性同位体の例は、腫瘍部位に局在しているときに、細胞破壊を引き起こす任意のα−、β−またはγ−エミッタを含む(S.E.Order,“Analysis,Results,and Future Prospective of the Therapeutic Use of Radiolabeled Antibody in Cancer Therapy”,Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy,R.W.Baldwinら(Eds.),Academic Press,1985)。このような放射性同位体の例は、これに限定されるわけではないが、ヨウ素−131(131I)、ヨウ素−125(125I)、ビスマス−212(212Bi)、ビスマス−213(213Bi)、アスタチン−211(211At)、レニウム−186(186Re)、レニウム−186(188Re)、リン−32(32P)、イットリウム−90(90Y)、サマリウム−153(153Sm)、およびルテチウム−177(117Lu)を含む。] [0103] 代わりにまたはさらに、本発明の使用に好適な治療剤は、その内容全体は参照によりその全体が本明細書に組み入れられている、2007年8月7日に出願された“Chlorotoxins as Drug Carriers”という名称の共有仮出願(USSN 60/954,409)、2007年10月12日に出願された“Systemic Administration of Chlorotoxin Agents for the Diagnosis and Treatment of Tumors”(USSN 60/979,714)に記載されている治療部分のいずれでもよい。このような治療剤のクラスの例は、これに限定されるわけではないが、貧水溶性抗癌剤、薬物耐性に関連する抗癌剤、アンチセンス核酸、リボザイム、トリプレックス剤、低分子干渉RNA(siRNA)、放射線増感剤、超抗原、プロドラッグ活性化酵素、および抗血管新生剤を含む。] [0104] ある実施形態において、クロロトキシン剤と会合される治療(たとえば抗癌、抗血管新生など)剤は、核酸剤である。] [0105] 多くの癌および腫瘍が、点突然変異、遺伝子欠失、または重複などの、さまざまな程度の遺伝子障害に関連していることが示されている。遺伝子の発現を調節するための多くの新しい癌処置方法、たとえば「アンチセンス」、「アンチジーン」、および「RNA干渉」が開発されている(A.Kalotaら、Cancer Biol.Ther.,2004,3:4−12;Y.Nakataら、Crit.Rev.Eukaryot.Gene Expr.,2005,15:163−182;V.Wacheck and U.Zangmeister−Wittke,Crit.Rev.Oncol.Hematol.,2006,59:65−73;A.Kolataら、Handb.Exp.Pharmacol.,2006,173:173−196)。このような手法はたとえば、アンチセンス核酸、リボザイム、トリプレックス剤、または低分子干渉RNA(siRNA)を使用して、mRNAをアンチセンス核酸でもしくはDNAをトリプレックス剤でマスキングすること、ヌクレオチド配列をリボザイムで切断すること、またはRNA干渉に関与する複雑な機構によるmRNAの破壊のいずれかによって、標的遺伝子の特定のmRNAまたはDNAの転写または翻訳を遮断する。これらの方法のすべてで、主にオリゴヌクレオチドが活性剤として使用されるが、小型分子および他の構造も利用されている。遺伝子発現を調節するためのオリゴヌクレオチドベースの方法は一部の癌の処置には大きな可能性を有するが、主にこれらの化合物の癌細胞内のその作用部位への送達が無効であることによって、オリゴヌクレオチドの薬理利用は妨げられてきた。(P.Herdewijnら、Antisense Nucleic AcidsDrug Dev.,2000,10:297−310;Y.Shoji and H.Nakashima,Curr.Charm.Des.,2004,10:785−796;A.W Tongら、Curr.Opin.Mol.Ther.,2005,7:114−124)。] [0106] いくつかの実施形態において、薬剤は、治療(たとえば抗癌)剤として有用である核酸分子を含む第2の治療剤と組合せて投与される、および/または第2の治療剤を含む。核酸の多様な種類および構造形がこのような方法に好適であり得る。これらは、非制限的な例として、1本鎖(ssDNA)および2本鎖(dsDNA)を含むDNA;これに限定されるわけではないが、ssRNA、dsRNA、tRNA、mRNA、rRNA、酵素RNAを含むRNA;RNA:DNAハイブリッド、3本鎖DNA(たとえば短鎖オリゴヌクレオチドに会合したdsDNA)などを含む。] [0107] 本発明のいくつかの実施形態において、核酸剤は約5〜2000ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、核酸剤は、少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50以上のヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、核酸剤は、約2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、45、40、35、30、25、20未満のヌクレオチド長である。] [0108] いくつかの実施形態において、核酸剤は、プロモータおよび/または転写を制御する他の配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸剤は、複製起点および/または複製を制御する他の配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸剤は、プロモータおよび/または複製起点を含まない。] [0109] 本発明の実施での使用に好適な核酸抗癌剤は、腫瘍形成および細胞増殖または細胞形質転換に関連する遺伝子(たとえば細胞分割を刺激するタンパク質をコードする、癌原遺伝子)、血管新生/抗血管新生遺伝子、腫瘍サプレッサ遺伝子(細胞分割を抑制するタンパク質をコードする)、腫瘍増殖および/または腫瘍移動に関連するタンパク質をコードする遺伝子、ならびにアポトーシスまたは他の形の細胞死を誘発する自殺遺伝子、特に急速に分割する細胞において最も活性である自殺遺伝子を標的とする核酸抗癌剤を含む。] [0110] 腫瘍形成および/または細胞形質転換に関連する遺伝子配列の例は、MLL融合遺伝子、BCR−ABL、TEL−AML1、EWS−FLI1、TLS−FUS、PAX3−FKHR、Bcl−2、AML1−ETO、AML1−MTG8、Ras、Fos PDGF、RET、APC、NF−1、Rb、p53、MDM2など;多剤耐性遺伝子などの過剰発現配列;サイクリン;ベータ−カテニン;テロメラーゼ遺伝子;c−myc、n−myc、Bcl−2、Erb−B1およびErb−B2;ならびにRas、Mos、Raf、およびMetなどの変異配列を含む。腫瘍サプレッサ遺伝子の例は、これに限定されるわけではないが、p53、p21、RB1、WT1、NF1、VHL、APC、DAPキナーゼ、p16、ARF、ニューロフィブロミン、およびPTENを含む。抗癌療法で有用な核酸分子によって標的化できる遺伝子の例は、インテグリン、セレクチンおよびメタロプロテイナーゼなどの腫瘍移動に関連するタンパク質をコードする遺伝子;血管内皮増殖因子(VEGF)またはVEGFrなど新しい血管の形成を促進するタンパク質をコードする抗血管新生遺伝子;エンドスタチン、アンギオスタチン、およびVEGF−R2などの新生血管形成を阻害するタンパク質をコードする抗血管新生遺伝子;ならびにインターロイキン、インターフェロン、線維芽細胞増殖因子(α−FGFおよびβ−FGF)、インスリン様増殖因子(たとえばIGF−1およびIGF−2)、血小板由来増殖因子(PDGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、形質転換増殖因子(たとえばTGF−αおよびTGF−β)、上皮増殖因子(EGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、幹細胞因子およびその受容体c−Kit(SCF/c−Kit)リガンド、CD40L/CD40、VLA−4VCAM−1、ICAM−1/LFA−1、ヒアルロン(hyalurin)/CD44などのタンパク質をコードする遺伝子を含む。当業者によって認識されるように、上述の例は排他的ではない。] [0111] 本発明による使用のための核酸は、たとえば、抗癌剤または他の治療剤として、プローブ、プライマーなどを含む、多様な活性のいずれかを有し得る。核酸は、酵素活性(たとえばリボザイム活性)、遺伝子発現阻害活性(たとえばアンチセンスまたはsiRNA剤などとして)、および/または他の活性を有し得る。核酸は、それ自体活性であり得るか、または(たとえば送達された核酸の複製および/または転写によって)活性核酸剤を送達するベクターであり得る。本明細書の目的では、このようなベクター核酸は、それらが治療活性剤をコードする、またはそうでなければ送達する場合は、それら自体が治療活性を有していなくても、「治療剤」と見なされる。] [0112] ある実施形態において、クロロトキシン剤は、アンチセンス化合物を含むまたはコードする核酸治療剤と組合せて投与される、および/または核酸治療剤を含む。「アンチセンス化合物または剤」、「アンチセンスオリゴマー」、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」および「アンチセンスオリゴヌクレオチド類似体」という用語は、本明細書では互換的に使用され、アンチセンス化合物をRNA中の標的配列にWatson−Crick塩基対合によってハイブリダイズさせて、標的配列内にRNAオリゴマーヘテロ2本鎖を形成させる、ヌクレオチド塩基およびサブユニット対サブユニット主鎖の配列を指す。オリゴマーは、標的配列内で正確な配列相補性または準相補性を有し得る。このようなアンチセンスオリゴマーは、標的配列を含有するmRNAの翻訳を遮断もしくは阻害し得る、または遺伝子転写を阻害し得る。アンチセンスオリゴマーは、2本鎖または1本鎖配列に結合し得る。] [0113] 本発明の実施での使用に好適なアンチセンスオリゴヌクレオチドの例は、たとえば以下の総説:R.A Stahelら、Lung Cancer,2003,41:S81−S88;K.F.Pirolloら、Pharmacol.Ther.,2003,99:55−77;A.C.Stephens and R.P.Rivers,Curr.Opin.Mol.Ther.,2003,5:118−122;N.M.Dean and C.F.Bennett,Oncogene,2003,22:9087−9096;N.Schiavoneら、Curr.Pharm.Des.,2004,10:769−784;L.Vidalら、Eur.J.Cancer,2005,41:2812−2818;T.Aboul−Fadl,Curr.Med.Chem.,2005,12:2193−2214;M.E.Gleave and B.P.Monia,Nat.Rev.Cancer,2005,5:468−479;Y.S.Cho−Chung,Curr.Pharm.Des.,2005,11:2811−2823;E.Rayburnら、Lett.Drug Design&Discov.,2005,2:1−18;E.R.Rayburnら、Expert Opin.Emerg.Drugs,2006,11:337−352;I.Tamm and M.Wagner,Mol.Biotechnol.,2006,33:221−238で言及されたものを含む(そのそれぞれはその全体が参照により本明細書に組み入れられている)。] [0114] 好適なアンチセンスオリゴヌクレオチドの例はたとえば、アポトーシスの強力な阻害薬であり、濾胞性リンパ腫、乳癌、結腸癌および前立腺癌、ならびに中間型/高悪性度リンパ腫を含む多くの癌で過剰発現される、bcl−2mRNAの開始コドン領域を標的としたホスホロチオエートオリゴマーである、オリマーソン(olimerson)ナトリウム(Genta,Inc.,Berkeley Heights,NJが開発したGenasense(商標)またはG31239としても公知)を含む(C.A.Steinら、Semin.Oncol.,2005,32:563−573;S.R.Frankel,Semin.Oncol.,2003,30:300−304)。他の好適なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、cAMP依存性タンパク質キナーゼA(PKA)に向けられた混合主鎖オリゴヌクレオチドである、GEM−231(HYB0165,Hybridon,Inc.,Cambridge,MA)(S.Goelら、Clin.Cancer Res.,203,9:4069−4076);PKC−アルファのアンチセンス阻害薬である、アフィニタク(ISIS 3521またはアプリノカルセン、ISIS pharmaceuticals,Inc.,Carlsbad,CA);細胞周期、組織リモデリング、脂質輸送および細胞死の制御に関与し、乳癌、前立腺癌および結腸癌で過剰発現される糖タンパク質であるクラスタリンに対する2’−メトキシエチル修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドである、OGX−011(Isis 112989,Isis Pharmaceuticals,Inc.);c−raf−1 mRNAの3’−非翻訳領域の配列に相補的なホスホロチオエートオリゴヌクレオチドである、ISIS 5132(Isis 112989,Isis Pharmaceuticals,Inc.)(S.P.Henryら、Anticancer Drug Des.,1997,12:409−420;B.P.Moniaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1996,93:15481−15484;C.M.Rudinら、Clin.Cancer Res.,2001,7:1214−1220);ヒトH−rasmRNA発現のホスホロチオエートオリゴヌクレオチドアンチセンス阻害薬である、ISIS 2503(Isis Pharmaceuticals,Inc.)(J.Kurreck,Eur.J.Biochem.,2003,270:1628−1644);GEM 640(AEG 35156,Aegera Therapeutics Inc.and Hybridon,Inc.)などの、アポトーシス経路の実質的部分を遮断するアポトーシスタンパク質のX結合阻害薬(XIAP)を標的とする、または2’−O−メトキシエチルキメラオリゴヌクレオチドのISIS 23722(Isis Pharmaceuticals,Inc.)などの、アポトーシスタンパク質(IAP)の阻害薬であるスルビビンを標的とする、オリゴヌクレオチド;DNAメチルトランスフェラーゼを標的とするMG98;およびヒトリボヌクレオチド還元酵素のR2小型サブユニット成分のmRNAのコード領域に相補的である20マーオリゴヌクレオチドの、GTI−2040(Lorus Therapeutics,Inc.Toronto,Canada)を含む。] [0115] 他の好適なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、Her−2/neu、c−Myb、c−Myc、およびc−Rafに対して開発されているアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む(たとえばA.Biroccioら、Oncogene,2003,22:6579−6588;Y.Leeら、Cancer Res.,2003,63:2802−2811;B.Luら、Cancer Res.,2004,64:2840−2845;K.F.Pirolloら、Pharmacol.Ther.,2003,99:55−77;およびA.Raitら、Ann.N.Y.Acad.Sci.,2003,1002:78−89を参照)。] [0116] ある実施形態において、本発明による使用のための核酸抗癌剤は、干渉RNA分子を含む、または干渉RNA分子をコードする。「干渉RNA」および「干渉RNA分子」という用語は、本明細書では互換的に使用され、遺伝子発現を阻害もしくは下方制御できる、または配列特異的方法で、たとえばRNA干渉(RNAi)を媒介することによって遺伝子を発現停止させることができる、RNA分子を指す。RNA干渉(RNAi)は、相補的標的1本鎖mRNAの分解および対応する翻訳配列の「発現停止」を誘発する、2本鎖RNA(dsRNA)によって引き起こされる進化的に保存された配列特異的機構である(McManus and Sharp,2002,Nature Rev.Genet.,2002,3:737)。RNAiは、より長いdsRNA鎖の、約21−23ヌクレオチド長の生物活性のある「低分子干渉RNA」(siRNA)配列への酵素切断によって機能する(Elbashirら、Genes Dev.,2001,15:188)。RNA干渉は、癌療法への有望な手法として浮上してきた。] [0117] 本発明の実施での使用に好適な干渉RNAは、複数の形のいずれかで提供することができる。たとえば干渉RNAは、単離低分子干渉RNA(siRNA)、2本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、または低分子ヘアピン型RNA(shRNA)の1つ以上として提供することができる。] [0118] 本発明での使用に好適な干渉RNA分子の例は、たとえば以下の総説:O.Milhavetら、Pharmacol.Rev.,2003,55:629−648;F.Biら、Curr.Gene.Ther.,2003,3:411−417;P.Y.Luら、Curr.Opin.Mol.Ther.,2003,5:225−234;I.Friedrichら、Semin.Cancer Biol.,2004,14:223−230;M.Izquierdo,Cancer Gene Ther.,2005,12:217−227;P.Y.Luら、Adv.Genet.,2005,54:117−142;G.R.Devi,Cancer Gene Ther.,2006,13:819−829;M.A.Behlke,Mol.Ther.,2006,13:644−670;およびL.N.Putralら、Drug News Perspect.,2006,19:317−324に引用されたiRNAを含む(そのそれぞれはその全体が参照によって本明細書に組み入れられている)。] [0119] 好適な干渉RNA分子の他の例は、これに限定されるわけではないが、p53干渉RNA(たとえばT.R.Brummelkampら、Science,2002,296:550−553;M.T.Hemmanら、Nat.Genet.,2003,33:396−400);慢性骨髄性白血病および急性リンパ芽球性白血病の発症に関連するbcr−abl融合を標的とする干渉RNA(たとえばM.Scherrら、Blood,2003,101:1566−1569;M.J.Liら、Oligonucleotides,2003,13:401−409)、未分化大細胞リンパ腫の75%に見られ、腫瘍形成に関連する構成的活性型キナーゼの発現を引き起こすタンパク質である、NPM−ALKの発現を阻害する干渉RNA(U.Ritterら、Oligonucleotides,2003,13:365−373);Raf−1(T.F.Louら、Oligonucleotides,2003,13:313−324)、K−Ras(T.R.Brummelkampら、Cancer Cell,2002,2:243−247)、erbB−2(G.Yangら、J.Biol.Chem.,2004,279:4339−4345)などの癌遺伝子を標的とする干渉RNA;結腸直腸癌での主な形質転換イベントと考えられているT細胞因子標的遺伝子のトランス活性化をその過剰発現によって引き起こす、b−カテニンタンパク質を標的とする干渉RNA(M.van de Weteringら、EMBO Rep.,2003,4:609−615)を含む。] [0120] いくつかの実施形態において、本明細書に記載するようなクロロトキシン剤は、治療計画と組合せてまたは治療計画の一部として投与され、1つ以上の治療計画が血管新生に関連する疾患、障害、または状態の処置のために推奨されている。ほんの数例を挙げると、癌処置に推奨される投薬計画は、www.cancer.govのURLを有するウェブサイト、すなわち国立癌研究所のウェブサイトに見出すことができる。黄斑変性症の処置に推奨される投薬計画は、URL www.mayoclinic.org/macular−degeneration/treatment.htmlを有するウェブサイトに見出すことができる。処置投薬計画は、化学療法、外科手術および/または放射線療法を含み得る。] [0121] C.標識部分 ある実施形態において、クロロトキシン剤は、少なくとも1つの標識部分によって標識される。たとえば1つ以上のクロロトキシン部分および/または1つ以上の治療部分は、標識部分によって標識され得る。] [0122] 標識部分は、試験される組織への結合後に、クロロトキシン剤の検出を促進し得る。標識部分は、標識部分が測定可能であるシグナルを発生する、およびその強度が組織に結合された診断剤の量に関連付けられる(たとえば比例する)ように選択され得る。] [0123] いくつかの実施形態において、標識は、クロロトキシン剤の所望の生物または製薬活性を実質的に妨害しない。ある実施形態において、標識は、1つ以上の標識部分のクロロトキシン部分への、たとえばクロロトキシン部分のペプチド配列上の非干渉部分への結合または包含を含む。このような非干渉位置は、クロロトキシン部分の腫瘍細胞への特異的結合に関与しない位置である。] [0124] 標識部分は、興味のある組織または系への結合後に、クロロトキシン剤の検出を可能にする任意の実体であり得る。多種多様の検出可能な薬剤のいずれも、本発明のクロロトキシン剤の標識部分として使用することができる。標識部分は直接検出され得るか、または間接的に検出され得る。標識部分の例は、これに限定されるわけではないが:各種のリガンド、放射性核種(たとえば3H、14C、18F、19F、32P、35S、135I、125I、123I、64Cu、187Re、111In、90Y、99mTc、177Luなど)、蛍光染料(詳細な例示的な蛍光染料については、下を参照)、化学発光剤(たとえばアクリジニウム(acridinum)エステル、安定化ジオキセタンなど)、生物発光剤、スペクトル分解型無機蛍光半導体ナノ結晶(すなわち量子ドット)、金属ナノ粒子(たとえば金、銀、銅、白金など)ナノクラスタ、常磁性金属イオン、酵素(酵素の詳細な例については下を参照)、比色標識(たとえば染料、コロイド金など)、ビオチン、ジゴキシゲニン(dioxigenin)、ハプテン、および抗血清またはモノクローナル抗体が入手可能であるタンパク質を含む。] [0125] ある実施形態において、標識部分は蛍光標識を含む。多種多様の化学構造および物理的特徴の多数の公知の蛍光標識部分は、本発明の診断方法の実施での使用のために好適である。好適な蛍光染料は、これに限定されるわけではないが、フルオレセインおよびフルオレセイン染料(たとえばフルオレセインイソチオシアニンまたはFITC、ナフトフルオレセイン、4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、6−カルボキシフルオレセインまたはFAMなど)、カルボシアニン、メロシアニン、スチリル染料、オキソノール染料、フィコエリトリン、エリトロシン、エオシン、ローダミン染料(たとえばカルボキシテトラメチル−ローダミンまたはTAMRA、カルボキシローダミン6G、カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、リサミンローダミンB、ローダミン6G、ローダミングリーン、ローダミンレッド、テトラメチルローダミン(TMR)など)、クマリンおよびクマリン染料(たとえばメトキシクマリン、ジアルキルアミノクマリン、ヒドロキシクマリン、アミノメチルクマリン(AMCA)など)、オレゴングリーン染料(たとえばオレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514など)、テキサスレッド、テキサスレッド−X、スペクトラムレッド(商標)、スペクトラムグリーン(商標)、シアニン染料(たとえばCy−3(商標)、Cy−5(商標)、Cy−3.5(商標)、Cy−5.5(商標)など)、アレクサフルオール染料(たとえばアレクサフルオール350、アレクサフルオール488、アレクサフルオール532、アレクサフルオール546、アレクサフルオール568、アレクサフルオール594、アレクサフルオール633、アレクサフルオール660、アレクサフルオール680など)、ボディーピー染料(たとえばボディーピーFL、ボディーピーR6G、ボディーピーTMR、ボディーピーTR、ボディーピー530/550、ボディーピー558/568、ボディーピー564/570、ボディーピー576/589、ボディーピー581/591、ボディーピー630/650、ボディーピー650/665など)、IRDyes(たとえばIRD40、IRD700、IRD800など)などを含む。好適な蛍光染料のさらなる例および蛍光染料をタンパク質およびペプチドなどの他の化学的実体にカップリングする方法については、たとえば“The Handbook of Fluorescent Probes and Research Products”,9thEd.,Molecular Probes,Inc.,Eugene,ORを参照。蛍光標識剤の好ましい特性は、高いモル吸収係数、高い蛍光量子収率、および光安定性を含む。ある実施形態において、標識フルオロフォアは望ましくは、スペクトルの紫外範囲(すなわち400nm未満)よりもむしろ可視(すなわち400〜750nm)における吸収および放出波長を示す。] [0126] ある実施形態において、標識部分は酵素を含む。好適な酵素の例は、これに限定されるわけではないが、ELISAで使用される酵素、たとえばホースラディッシュペルオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼなどを含む。他の例は、ベータ−グルクロニダーゼ、ベータ−D−グルコシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼなどを含む。酵素は、カルボジイミド、ジイソシアナート、グルタルアルデヒドなどのリンカー基を使用して、クロロトキシン部分にコンジュゲートされ得る。] [0127] ある実施形態において、標識部分は、単光子放出型コンピュータ断層撮影法(SPECT)または陽電子(Position)放出断層撮影法(PET)によって検出可能である放射性同位体を含む。このような放射性核種の例は、これに限定されるわけではないが、ヨウ素−131(131I)、ヨウ素−125(125I)、ビスマス−212(212Bi)、ビスマス−213(213Bi)、アスタチン−221(211At)、銅−67(67Cu)、銅−64(64Cu)、レニウム−186(186Re)、レニウム−186(188Re)、リン−32(32P)、サマリウム−153(153Sm)、ルテチウム−177(117Lu)、テクネチウム−99m(99mTc)、ガリウム−67(67Ga)、インジウム−111(111In)、およびタリウム−201(201Tl)を含む。] [0128] ある実施形態において、標識部分はガンマカメラによって検出可能である放射性同位体を含む。このような放射性同位体の例は、これに限定されるわけではないが、ヨウ素−131(131I)、およびテクネチウム−99m(99mTc)を含む。] [0129] ある実施形態において、標識部分は、磁気共鳴映像法(MRI)での良好な造影強調剤である常磁性金属イオンを含む。このような常磁性金属イオンは、これに限定されるわけではないが、ガドリニウムIII(Gd3+)、クロムIII(Cr3+)、ジスプロシウムIII(Dy3+)、鉄III(Fe3+)、マンガンII(Mn2+)、およびイッテルビウムIII(Yb3+)を含む。ある実施形態において、標識部分はガドリニウムIII(Gd3+)を含む。ガドリニウムは、FDAが承認したMRI用造影剤であり、異常な組織に蓄積して、このような異常な範囲を磁気共鳴画像で非常に明るく(強調)する。ガドリニウムは、体の各種の範囲において、特に脳において正常組織と異常組織との間に強いコントラストを与えることが公知である。] [0130] ある実施形態において、標識部分は、核磁気共鳴分光法(MRS)によって検出可能である安定な常磁性同位体を含む。好適で安定な常磁性同位体の例は、これに限定されるわけではないが、炭素−13(13C)およびフッ素−19(19F)を含む。] [0131] D.クロロトキシン剤と治療剤および/または標識部分との会合 ある実施形態において、クロロトキシン剤は、少なくとも第2の治療剤および/または標識部分と会合する部分である。] [0132] クロロトキシン剤と治療剤および/または標識部分との会合は、共有結合的または非共有結合的であり得る。結合、相互作用、またはカップリングの性質とは無関係に、クロロトキシン剤と治療剤との会合は、いくつかの実施形態において、第2の治療剤が腫瘍へのおよび腫瘍中への輸送/送達の前または間に、クロロトキシン剤から解離しないほど十分に選択的、特異的および強力である。クロロトキシン剤と第2の治療剤との会合は、当業者に公知の任意の化学的、生化学的、酵素的または遺伝的カップリングを使用して達成され得る。] [0133] ある実施形態において、クロロトキシン剤と治療剤および/または標識部分との会合は非共有結合的である。非共有結合的相互作用の例は、これに限定されるわけではないが、疎水性相互作用、静電相互作用、双極子相互作用、ファンデルワールス相互作用、および水素結合を含む。] [0134] ある実施形態において、クロロトキシン剤と治療剤および/または標識部分との会合は共有結合的である。当業者によって認識されるように、部分は直接的または間接的(たとえば後述するようにリンカーを介して)のどちらかで相互に結合され得る。] [0135] ある実施形態において、クロロトキシン剤と治療剤および/または標識部分は、相互に直接共有結合される。直接共有結合は、アミド、エステル、炭素間、ジスルフィド、カルバメート、エーテル、チオエーテル、尿素、アミン、またはカーボネート結合などの結合によることが可能である。共有結合は、クロロトキシン剤および/または治療剤に存在する官能基を利用することによって達成可能である。代わりに、重要でないアミノ酸は、カップリング目的で有用な基(アミノ、カルボキシまたはスルフヒドリル)を導入するであろう別のアミノ酸によって置換され得る。代わりに、さらなるアミノ酸をクロロトキシン剤に添加して、カップリング目的で有用な基(アミノ、カルボキシまたはスルフヒドリル)を導入することができる。部分を共に結合するために使用できる好適な官能基は、これに限定されるわけではないが、アミン、無水物、ヒドロキシル基、カルボキシ基、チオールなどを含む。活性化剤、たとえばカルボジイミドを使用して直接結合を形成することができる。多種多様の活性化剤が当分野で公知であり、治療剤とクロロトキシン部分との結合に好適である。] [0136] 他の実施形態において、クロロトキシン剤と治療剤および/または標識部分とは、リンカー基を介して相互に間接的に共有結合される。これは、ホモ官能性剤およびヘテロ官能性剤を含む、当分野で周知の任意の数の安定な2官能性剤を使用して達成することができる(このような薬剤の例は、たとえばPierce Catalog and Handbookを参照)。2官能性リンカーの使用が活性化剤の使用と異なるのは、2官能性リンカーが得られたクロロトキシン剤に存在する結合部分を生成するのに対して、活性化剤は反応に関与する2つの部分の間に直接カップリングを生成するという点である。2官能性リンカーの役割は、2つのそうでなければ不活性な部分の間の反応を可能にすることであり得る。代わりにまたはさらに、反応生成物の一部となる2官能性リンカーは、そのリンカーがある程度の立体配座上の柔軟性をクロロトキシン剤に与えるように選択され得る(たとえば、2官能性リンカーは、複数の原子を含有するアルキル直鎖を含み、たとえばアルキル直鎖は2〜10個の炭素原子を含有する)。代わりにまたはさらに、2官能性リンカーは、クロロトキシン剤と治療剤との間に形成された結合が切断可能である、たとえば加水分解可能であるように選択され得る(このようなリンカーの例については、たとえば米国特許第5,773,001号;同第5,739,116号および同第5,877,296号を参照、そのそれぞれはその全体が参照によって本明細書に組み入れられている)。このようなリンカーはたとえば、コンジュゲートの加水分解後にクロロトキシン剤および/または治療剤により高い活性が見られるときに使用され得る。治療剤がクロロトキシン剤から切断され得る例示的な機構は、リソソーム(ヒドラゾン、アセタール、およびシス−アコニテート様アミド)の酸性pHでの加水分解、リソソーム酵素(カテプシン(capthepsin)および他のリソソーム酵素)によるペプチド切断、およびジスルフィドの還元)を含む。治療剤がクロロトキシン剤から切断される別の機構は、細胞外または細胞内での生理的pHにおける加水分解を含む。この機構は、治療剤をクロロトキシン部分にカップリングするために使用される架橋剤が生分解性/生腐食性実体、たとえばポリデキストランなどであるときに適用される。] [0137] たとえばヒドラゾン含有クロロトキシン剤は、所望放出特性を与える導入されたカルボニル基によって生成することができる。クロロトキシン剤は、1端にジスルフィド基を、反対端にヒドラジン誘導体を備えたアルキル鎖を含むリンカーによって生成することもできる。ヒドラゾン以外の官能基を含有するリンカーは、リソソームの酸性環境で切断される可能性も有する。たとえばクロロトキシン剤は、エステル、アミド、およびアセタール/ケタールなどの、細胞内で切断可能であるヒドラゾン以外の基を含有するチオール反応性リンカーから生成できる。] [0138] pH感受性リンカーのクラスの別の例は、アミド基に隣接したカルボン酸基を有するシス−アコニテートである。カルボン酸は、酸性リソソーム中でのアミド加水分解を加速する。同様の種類の加水分解速度の加速を複数の他の種類の構造によって達成するリンカーも使用できる。] [0139] クロロトキシン剤のための別の考えられる放出方法は、リソソーム酵素によるペプチドの酵素加水分解である。一例において、ペプチド性毒素は、アミド結合を介してパラ−アミノベンジルアルコールに結合され、次にカルバメートまたはカーボネートがベンジルアルコールと治療剤との間に生成される。ペプチドの切断によって、アミノベンジルカルバメートまたはカーボネートの崩壊、および治療剤の放出が引き起こされる。別の例において、フェノールは、カルバメートの代わりにリンカーの崩壊によって切断することができる。別の変形では、ジスルフィド還元を使用して、パラ−メルカプトベンジルカルバメートまたはカーボネートの崩壊を開始する。] [0140] 治療剤および/または標識部分がタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドである実施形態において、クロロトキシン剤および治療剤は、融合タンパク質から共に生成し得る。上ですでに定義したように、融合タンパク質は、その個々のペプチド主鎖を介した共有結合によって結合された2つ以上のタンパク質またはペプチドを含む分子である。本発明の方法で使用する融合タンパク質は、当分野で公知の任意の好適な方法によって産生することができる。たとえば融合タンパク質は、ポリペプチド合成装置を使用する直接タンパク質合成方法によって産生することができる。代わりに、遺伝子断片のPCR増幅は、アンカープライマーを使用して実施することができ、アンカープライマーによって2つの連続遺伝子断片の間に相補的オーバーハングを生じ、続いて遺伝子断片はアニーリング、再増幅されて、キメラ遺伝子配列を生成させることができる。融合タンパク質は、標準組換え方法によって得ることができる(たとえばManiatisら“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,2ndEd.,1989,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring,N.Y.を参照)。これらの方法は一般に(1)所望の融合タンパク質をコードする核酸分子の構築;(2)核酸分子の組換え発現ベクターへの挿入;(3)発現ベクターによる好適な宿主細胞の形質転換;および(4)宿主細胞での融合タンパク質の発現を含む。このような方法によって産生された融合タンパク質は、当分野で公知であるように、培地から直接、または細胞の溶解のどちらかによって回収および単離され得る。形質転換宿主細胞によって産生されたタンパク質を精製する多くの方法が、当分野で周知である。これらは、これに限定されるわけではないが、沈殿、遠心分離、ゲル濾過、および(イオン交換、逆相、およびアフィニティ)カラムクロマトグラフィーを含む。他の精製方法が記載されている(たとえばDeutscherら、“Guide to Protein Purification”in Methodsin Enzymology,1990,Vol.182,Academic Press)。] [0141] 当業者がただちに認識できるように、本発明の方法で使用するクロロトキシン剤は、任意の数のクロロトキシン部分を含むことができ、任意の数の異なる方法で相互に会合された任意の数の治療剤および/または標識部分と会合させることができる。コンジュゲートの設計は、その所期の目的およびその使用の特定の状況で望ましい特性に影響されるであろう。クロロトキシン部分を治療剤に会合または結合させてクロロトキシン剤を形成する方法の選択は、当業者の知識の範囲内であり、一般に部分間で望ましい相互作用の性質(すなわち共有結合的対非共有結合的および/または切断可能対切断不可能)、治療剤の性質、含まれる部分の官能化学基の存在および性質などによって変わるであろう。] [0142] 標識クロロトキシン剤では、クロロトキシン剤(または治療剤)と標識部分との間の会合は、共有結合的または非共有結合的であり得る。共有結合的会合の場合、クロロトキシン(または治療剤)および標識部分は、上述のように直接または間接的のどちらかで相互に結合され得る。] [0143] ある実施形態において、クロロトキシン部分(または治療剤)と標識部分との間の会合は非共有結合的である。非共有結合的会合の例は、これに限定されるわけではないが、疎水性相互作用、静電相互作用、双極子相互作用、ファンデルワールス相互作用、および水素結合を含む。たとえば標識部分は、クロロトキシン剤(または治療剤)にキレート化によって非共有結合させることができる(たとえば金属アイソトープは、クロロトキシン部分に結合、たとえば融合されたpolyHis領域にキレート化させることができる)。] [0144] ある実施形態において、クロロトキシン剤(または治療剤)は、同位体標識される(すなわちクロロトキシン剤(または治療剤)は、通常自然界に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換された1個以上の原子を含有する)。代わりにまたはさらに、同位体は、クロロトキシン剤および/または治療剤に結合され得る。] [0145] 当業者がただちに認識できるように、本発明のある方法で使用する標識クロロトキシン剤は、任意の数の標識部分を含むことができ、任意の数の治療剤と会合させることができる。このような薬剤および標識部分は、任意の数の異なる方法で相互に会合させることができる。標識クロロトキシン剤の設計は、その所期の目的、その使用の状況で望ましい特性、および検出から選択された方法に影響されるであろう。] [0146] II.血管新生を減少させる方法 本発明の血管新生を減少させる方法は、クロロトキシン剤の量を被験体に投与することをしばしば含み、ここでクロロトキシンの量は、クロロトキシン剤が投与されない対照被験体で観察または予想されるものと比較して、血管新生の程度が低下されるように有効である。] [0147] A.適応 本発明の方法は、異常な血管新生を含む疾患または状態を改善および/または処置するのに有用であり得る。「異常な血管新生」は、本明細書で使用するように、発生、再生、および創傷修復などの正常な生物学的プロセスで発生しない血管新生を指す。本発明の方法を使用して減少され得る血管新生は、いくつかの実施形態において、血管内皮増殖因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、リポ多糖類(LPS)、上皮増殖因子(EGF)、インターロイキン−6(IL−6)、血小板由来増殖因子(PDGF)、腫瘍壊死因子(TNFα)、肝細胞増殖因子(HGF)、およびその組合せからなる群より選択される因子によって刺激され得る。] [0148] 血管新生は多様な病的プロセスに関与するため、本発明の方法は、たとえば癌(転移癌を含む)、眼の新生血管形成(黄斑変性症など)、炎症性疾患(関節炎など)などの疾患を処置および/または改善するのに有用であり得る。] [0149] 腫瘍は、転移の増殖および/または発症を継続するために、新たな血管の形成に依存するようになることが多い。それゆえ本発明の方法は、腫瘍を改善および/または処置するのに有用であり得る。クロロトキシン剤を投与され得る被験体は、転移を開始している、またはすでに転移した腫瘍を有し得る。被験体は、1つ以上の転移を有し得る。いくつかの実施形態において、腫瘍および/または転移のサイズが縮小される。] [0150] いくつかの実施形態において、被験体は、脈絡膜新生血管形成を特徴とする状態もしくは疾患に罹患しているか、または状態もしくは疾患のリスクに瀕している。このような状態は、これに限定されるわけではないが、黄斑変性症、近視、眼球外傷、弾性線維性仮性黄色腫、およびその組合せを含む。] [0151] 黄斑変性症は、65歳以上のアメリカ人における失明および盲目の主な原因である。黄斑変性症は、通例は加齢性(AMDまたはARMDと呼ばれることが多い)として発生することが多いが、若年性黄斑変性症も同様に発生する。AMD/ARMDでは、黄斑、すなわち明瞭な中心視に関与する脈絡膜の一部が変性する。黄斑変性症は通例、乾性(非血管新生)または湿性(血管新生)のどちらかとして診断される。] [0152] 乾性黄斑変性症では、ドルーゼンとして公知の(knwn)黄色がかった斑点が、たいていは黄斑周囲の劣化した組織による沈着または残屑から蓄積を開始する。中心視の喪失(less)は通常は徐々に発生して、滲出型黄斑変性症の失明ほど重篤ではない。] [0153] 滲出型黄斑変性症は、「血管新生」と呼ばれることで示唆されるように、たとえば黄斑で異常増殖する新たな血管を特徴とする。このような新たな血管は、網膜の下で増殖することがあり、血液および体液を漏出させる。このような漏出によって、光感受性網膜細胞に対して永久的な損傷が引き起され、網膜細胞は死に、中心視に盲点が生成する。滲出型黄斑変性症は、さらに2つの種類に分類され得る。潜在型の滲出型黄斑変性症では、網膜下での新たな血管増殖は顕著でなく、漏出はあまり明らかではなく、通例、あまり重篤でない失明(vision less)が起きる。古典的な形の滲出型黄斑変性症では、血管の増殖および瘢痕形成は、網膜の下に観察できる非常に明瞭に線引きされた輪郭を有する。古典的な滲出型黄斑変性症は、古典的な脈絡膜新生血管形成としても公知であり、通常はより重篤な失明(vsion loss)を引き起こす。] [0154] 多くのAMD/ARMDを含む滲出型黄斑変性症における血管新生を役割を考えると、本発明の方法は、このような障害を処置および/または改善するのに有用であり得る。滲出型黄斑変性症の現在の療法は、薬物を特定の細胞に標的化するための光線力学的療法(PDT)と場合により組合される、Lucentis(商標)、Macugen(商標)および/またはビズダイン(商標)などの血管新生阻害薬を含む。高エネルギーのレーザー光を使用して異常な血管のある脈絡膜の範囲に小規模な火傷を精製する光凝固も、滲出型黄斑変性症を処置するために使用される。] [0155] いくつかの実施形態において、被験体は、滲出型黄斑変性症および/または加齢性黄斑変性症に罹患している。滲出型黄斑変性症に罹患している被験体の中では、被験体は潜在型または古典型に罹患し得る。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、既存の新生血管系の退行を引き起こす。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は新たな血管の出芽を防止する。ある実施形態において、クロロトキシン剤は、滲出型黄斑変性症の他の処置、たとえば光凝固、他の血管新生阻害薬を用いた処置、光線力学的療法などと組合される。] [0156] B.投薬量および投与 本発明の方法では、クロロトキシン剤、またはその製薬組成物は一般に、少なくとも1つの所望の結果を達成するのに必要または十分であるような量および時間で投与されるであろう。たとえばクロロトキシン剤は、血管の形成を低速化もしくは阻害する、および/または既存の新生血管系の退行を引き起こすような量および時間で投与することができる。このような効果は、たとえば他の方法で検出可能であり得る臨床的利益を生じ得る。たとえば、癌患者での血管新生の減少によって、腫瘍サイズの縮小、転移の数の減少、転移の形成の防止などが引き起こされ得る。同様に、黄斑変性症患者での血管新生の減少によって、視力の改善が引き起こされ得る。別の例として、関節炎患者では、血管新生の減少によって、炎症が低減され、症状が軽減され得る。] [0157] 本発明による投薬計画は、単回用量またはある期間にわたる複数回用量より成り得る。投与は、1日1回または複数回、毎週(また他の数日間隔で)または間欠的なスケジュールであり得る。投与されるクロロトキシン剤、またはその製薬組成物の正確な量は、被験体間で異なり、複数の因子に依存するであろう(以下を参照)。実施例7で議論するように、たとえばPEG化によるクロロトキシン剤の修飾は、血管新生に対する有効性を維持しながら、投与頻度を低下させ得る。本発明のいくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、週に5回未満投与される。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は、週に2回未満投与される。] [0158] クロロトキシン剤、またはその製薬組成物は、所望の治療効果を達成するために有効な任意の投与経路を使用して投与され得る。本発明のある実施形態において、クロロトキシン剤(またはその製薬組成物)は全身に送達される。代表的な全身投与経路は、これに限定されるわけではないが、筋肉内、静脈内、肺、および経口経路を含む。全身投与はまた、たとえば輸液もしくはボーラス注入によって、または上皮層もしくは粘膜皮膚層(たとえば経口、粘膜、直腸および腸粘膜など)を通じた吸収によって実施され得る。ある実施形態において、クロロトキシン剤は静脈内投与される。] [0159] 他の投与経路も使用され得る。ある実施形態において、クロロトキシン剤は、静脈内、頭蓋内、筋肉内、腫瘍内、皮下、眼内、眼周囲、局所適用からなる群より選択される経路によって、またはその組合せによって投与される。] [0160] 眼新生血管形成疾患における血管新生の程度を低下させることが所望であり得る。いくつかの実施形態において、クロロトキシン剤は眼に送達され得る。眼への送達は、たとえば硝子体内注射、結膜下注射などの眼内および/または眼周囲経路を使用して達成され得る。クロロトキシン剤の眼への局所適用は、たとえば点眼薬を使用しても達成され得る。] [0161] 眼投与経路は、黄斑変性症などの眼の新生血管形成疾患の処置に特に有用であり得る。] [0162] 投与経路に応じて、有効用量は、処置される被験体の体重;体表面積;原発臓器/腫瘍サイズ;ならびに/または転移の数、サイズ、および/もしくは種類に従って計算され得る。適切な投薬量の最適化は、ヒト臨床試験で観察された薬物動態データを考慮して、当業者がただちに行うことができる。最終的な投薬計画は、薬物の作用を変更する各種の因子、たとえば薬物の特異的活性、損傷の重症度および患者の応答性、患者の年齢、状態、体重、性別および食事、任意の存在する感染症の重症度、投与時間、他の療法の使用(または不使用)、ならびに他の臨床因子を考慮して、主治医が決定するであろう。クロロトキシン剤を使用して試験を実施するときに、適切な投薬レベルおよび処置期間に関するさらなる情報が生じるであろう。] [0163] 代表的な投薬量は、1.0pg/kg体重〜100mg/kg体重を含む。たとえば全身投与では、投薬量は、100.0ng/kg体重〜10.0mg/kg体重であり得る。] [0164] さらに詳細には、クロロトキシン剤が静脈内投与される、ある実施形態において、薬剤の投薬は、約0.005mg/kg〜約5mg/kg、たとえば約0.005mg/kg〜約5mg/kg、約0.01mg/kg〜約4mg/kg、約0.02mg/kg〜約3mg/kg、約0.03mg/kg〜約2mg/kgまたは約0.03mg/kg〜約1.5mg/kgのクロロトキシンを含む1回以上の用量の投与を含み得る。たとえば、ある実施形態において、それぞれ約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.07mg/kg、約0.09mg/kg、約1.0mg/kgまたは1.0mg/kg超のクロロトキシンを含有する、クロロトキシン剤の1回以上の用量が投与され得る。他の実施形態において、それぞれ約0.05mg/kg、約0.10mg/kg、約0.15mg/kg、約0.20mg/kg、約0.25mg/kg、約0.30mg/kg、約0.35mg/kg、約0.40mg/kg、約0.45mg/kg、約0.50mg/kg、約0.55mg/kg、約0.60mg/kg、約0.65mg/kg、約0.70mg/kg、約0.75mg/kg、約0.80mg/kg、約0.85mg/kg、約0.90mg/kg、約0.95mg/kg、約1.0mg/kg、または約1mg/kg超のクロロトキシンを含有する、クロロトキシン剤の1回以上の用量が投与され得る。また他の実施形態において、それぞれ約1.0mg/kg、約1.05mg/kg、約1.10mg/kg、約1.15mg/kg、約1.20mg/kg、約1.25mg/kg、約1.3mg/kg、約1.35mg/kg、約1.40mg/kg、約1.45mg/kg、約1.50mg/kg、または約1.50mg/kg超のクロロトキシンを含有する、クロロトキシン剤の1回以上の用量が投与され得る。このような実施形態において、処置は単回用量のクロロトキシン剤の投与または2回用量、3回用量、4回用量、5回用量、6回用量もしくは6回を超える用量の投与を含み得る。2回連続用量は、1日間隔、2日間隔、3日間隔、4日間隔、5日間隔、6日間隔、7日間隔、または7日超の間隔(たとえば10日、2週間、または2週間超)で投与され得る。] [0165] C.血管新生の程度 血管新生を減少させる本発明の方法において、血管新生の程度は、対照との比較で決定され得る。当業者によって理解されるように、対照レベルは、多様な方法で取得および/または推定され得る。投与されている被験体に類似している対照被験体からのデータが比較に使用され得る。代わりにまたはさらに、標準値が対照値として使用され得る。このような標準値は、たとえば臨床記録、アーカイブ、文献などで入手され得る公知のデータ、値、パラメータなどから計算および/または外挿され得る。] [0166] 血管新生の程度は、多様な方法で測定され得る。たとえば、ヘモグロビン含有量、新生血管形成の面積、所与の視野でカウントした分枝点の数などは、血管新生の程度の表示として作用し得る。転移の数(たとえば癌患者における)、視力スコア(たとえば眼の新生血管形成疾患に罹患している被験体における)などの臨床測定値も、血管新生の程度の尺度として作用し得る。] [0167] いくつかの実施形態において、血管新生の程度は、対照被験体と比較して少なくとも50%低下される。] [0168] D.併用療法 本発明の方法は、さらなる療法と組合せて利用できることが認識されるであろう(すなわち本発明による処置は、1つ以上の所望の治療薬もしくは医療的手技と同時に、その前に、またはそれに続いて投与することができる)。このような併用投薬計画で使用される療法(治療薬または手技)の詳細な組合せは、所望の治療薬および/または処置の適合性および達成される所望の治療効果を考慮するであろう。] [0169] たとえば癌の血管新生を減少させるために、本発明の方法は、処置される腫瘍に応じて、外科手術、放射線療法(たとえばガンマ線放射、中性子線(neuron beam)放射線療法、電子線放射線療法、陽子線療法、近接照射療法、全身放射性同位体)、内分泌療法、温熱療法、および寒冷療法を含む他の手技と共に使用することができる。] [0170] 転移性脳腫瘍の多くの症例において、本発明の方法は、原発腫瘍を除去する外科手術の後に投与されることが多いであろう。脳腫瘍の処置では、外科手術の主な目標は、肉眼的全摘出、すなわち眼に見えるすべての原発腫瘍の除去を達成することである。このような目標を達成する際の問題の1つは、これらの腫瘍が浸潤性であること、すなわちこれらの腫瘍が正常な脳構造内を縫うように進む傾向があることである。さらに、患者の脳から安全に除去できる腫瘍の量に大きなばらつきがある。腫瘍の一部または全部が脳制御の重要な機能の領域に位置する場合には、除去は一般に不可能である。さらに、外科手術のみによって離れた部位の転移を除去および/または破壊することは不可能であるか、または実際的でないかもしれない。] [0171] 転移性脳腫瘍の多くの症例において、本発明の処置は、放射線療法と組合せて(すなわち放射線療法と同時に、その前に、またはその後に)投与されることが多いであろう。通常の処置では、放射線療法は一般に、外科手術の後である。放射線は一般に、数週間にわたって一連の日常的な処置(フラクションと呼ばれる)として投与される。放射線を投与するこの「フラクション化された」手法は、腫瘍細胞の破壊を最大限にして、正常な隣接する脳に対する副作用を最小限にするために重要である。放射線が投与される面積(放射野と呼ばれる)は、できる限り正常な脳の多くが含まれないようにするために、慎重に計算される。]
权利要求:
請求項1 ある量のクロロトキシン剤を被験体に投与するステップを含む方法であって、該量のクロロトキシンは、クロロトキシン剤が投与されない対照被験体で観察または予想されるものと比較して、血管新生の程度が低下されるように有効である、方法。 請求項2 前記クロロトキシン剤が正常細胞よりも癌細胞を選択的に標的とする、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記被験体が腫瘍を有する、請求項1に記載の方法。 請求項4 前記腫瘍が転移性腫瘍である、請求項3に記載の方法。 請求項5 前記被験体が少なくとも1つの転移を有する、請求項3に記載の方法。 請求項6 前記腫瘍および/または転移のサイズが縮小される、請求項3〜5のいずれかに記載の方法。 請求項7 前記血管新生が血管内皮増殖因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、リポ多糖類(LPS)、上皮増殖因子(EGF)、インターロイキン−6(IL−6)、血小板由来増殖因子(PDGF)、腫瘍壊死因子(TNFα)、肝細胞増殖因子(HGF)、およびその組合せからなる群より選択される因子によって刺激される、請求項1に記載の方法。 請求項8 前記クロロトキシン剤がアネキシンA2を結合する、請求項1に記載の方法。 請求項9 前記クロロトキシン剤がアネキシンA2を間接的に結合する、請求項7に記載の方法。 請求項10 前記クロロトキシン剤がアネキシンA2を直接結合する、請求項9に記載の方法。 請求項11 第2の治療剤を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。 請求項12 前記第2の治療剤が抗癌剤である、請求項11に記載の方法。 請求項13 前記第2の治療剤が血管新生阻害薬である、請求項11に記載の方法。 請求項14 前記血管新生阻害薬が、ベバシズマブ、ラニビズマブ、およびその組合せからなる群より選択される、請求項13に記載の方法。 請求項15 前記クロロトキシン剤および前記第2の治療剤が同時に投与される、請求項11に記載の方法。 請求項16 前記クロロトキシン剤が、前記第2の治療剤が投与される前に投与される、請求項11に記載の方法。 請求項17 前記クロロトキシン剤が、前記第2の治療剤が投与された後に投与される、請求項11に記載の方法。 請求項18 前記クロロトキシン剤が前記第2の治療剤と会合される、請求項11に記載の方法。 請求項19 前記クロロトキシン剤が静脈内、頭蓋内、筋肉内、腫瘍内、皮下、眼内、眼周囲、局所適用、およびその組合せからなる群より選択される投与経路によって投与される、請求項1に記載の方法。 請求項20 前記クロロトキシン剤が硝子体内、結膜下注射、およびその組合せからなる群より選択される投与経路によって投与される、請求項19に記載の方法。 請求項21 前記クロロトキシン剤が眼に送達される、請求項1に記載の方法。 請求項22 前記クロロトキシン剤が点眼薬を使用して投与される、請求項21に記載の方法。 請求項23 前記被験体が異常な血管新生を特徴とする状態または疾患に罹患している、または罹りやすい、請求項1に記載の方法。 請求項24 前記状態または疾患が脈絡膜新生血管形成を特徴とする、請求項23に記載の方法。 請求項25 前記状態または疾患が黄斑変性症、近視、眼球外傷、弾性線維性仮性黄色腫、およびその組合せからなる群より選択される、請求項24に記載の方法。 請求項26 前記状態または疾患が黄斑変性症である、請求項25に記載の方法。 請求項27 黄斑変性症が滲出型黄斑変性症、加齢性黄斑変性症、およびその組合せからなる群より選択される、請求項26に記載の方法。 請求項28 前記クロロトキシン剤が細胞傷害性部分と会合される、請求項1に記載の方法。 請求項29 前記クロロトキシン剤が細胞傷害性部分と融合して融合タンパク質を形成する、請求項28に記載の方法。 請求項30 前記細胞傷害性部分が毒素、生物活性タンパク質、化学療法抗生物質、核酸分解酵素、放射性同位体、およびその組合せからなる群より選択される、請求項28に記載の方法。 請求項31 前記毒素がゲロニン、リシン、サポニン、Pseudomonas体外毒素、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ジフテリア毒素、および補体タンパク質から成る群のメンバを含む、請求項29に記載の方法。 請求項32 前記細胞傷害性部分が放射性同位体を含む、請求項31に記載の方法。 請求項33 前記放射性同位体がヨウ素−131(131I)を含む、請求項32に記載の方法。 請求項34 前記クロロトキシン剤が標識部分と会合される、請求項1に記載の方法。 請求項35 前記標識部分がフルオロフォア、放射性同位体、常磁性金属イオン、およびその組合せからなる群より選択される部分を含む、請求項34に記載の方法。 請求項36 前記標識部分が放射性同位体を含む、請求項35に記載の方法。 請求項37 前記標識部分がヨウ素−131(131I)、ヨウ素−125(125I)、またはその組合せを含む、請求項36に記載の方法。 請求項38 前記放射性同位体が99mTcを含む、請求項37に記載の方法。 請求項39 前記血管新生の程度が前記対照被験体と比較して少なくとも50%低下される、請求項1に記載の方法。 請求項40 前記クロロトキシン剤がポリマーに共有結合される、請求項1に記載の方法。 請求項41 ポリマーがポリエチレングリコール(PEG)である、請求項40に記載の方法。 請求項42 前記被験体での前記クロロトキシン剤の半減期が少なくとも約10時間である、請求項1に記載の方法。 請求項43 前記被験体での前記クロロトキシン剤の半減期が少なくとも約16時間である、請求項42に記載の方法。 請求項44 前記クロロトキシン剤が週5回未満投与される、請求項1に記載の方法。 請求項45 前記クロロトキシン剤が週2回未満投与される、請求項44に記載の方法。 請求項46 前記クロロトキシン剤が既存の新生血管系の退行を引き起こす、請求項1に記載の方法。 請求項47 前記クロロトキシン剤が新たな血管の出芽を防止する、請求項1に記載の方法。 請求項48 アネキシンA2に結合する薬剤を同定する方法であって、a)アネキシンA2を発現する細胞を含む試料を提供するステップと;b)該試料と試験剤とを接触させるステップと;c)該試験剤がアネキシンA2に結合するか否かを決定するステップと;d)該決定に基づいて、該試験剤をアネキシンA2に結合する薬剤として同定するステップと;を含む、方法。 請求項49 前記試験剤がアネキシンA2機能を調節するか否かを決定するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。 請求項50 アネキシンA2を発現する細胞においてアネキシンA2活性を調節する方法であって、アネキシンA2活性が変化されるように該細胞とアネキシンA2を調節する薬剤とを接触させるステップを含む、方法。 請求項51 前記アネキシンA2活性がプラスミノーゲン制御である、請求項50に記載の方法。
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